どうなる4K放送!? 開始まで1カ月を切ったが認知度は低いまま……4K(2/4 ページ)

» 2018年11月09日 08時22分 公開
[大河原克行ITmedia]

左旋と右旋

 さらに、新4K・8K衛星放送を視聴するには、これ以外にもいくつかの課題があることを知っておかなくてはならない。

 ひとつは、視聴したいチャンネルによっては、新たにアンテナやブースター、分配器を設置したり、屋内でのWi-Fiへの干渉対策も含めて、電波漏えいをしないように対策したりする必要がある点だ。

 新たな設備が必要なのは、「左旋」と呼ばれる方式を採用した放送が対象で、「右旋」で放送されるNHK BS4K、ビーエス朝日、BS-TBS、BSテレビ東京、ビーエスフジ、BS日テレ(BS日テレのみ2019年12月に放送開始)の場合は、ほとんどの家庭で、現行の地デジの受信環境のままで視聴が可能だ。だが、ショップチャンネル、QVC、映画エンタテインメントチャンネル、スカチャン4K、WOWOW(WOWOWは2020年12月放送開始)は、左旋に対応したアンテナなどが必要になる。

記者発表会の様子 記者発表会の様子

 当然、左旋方式で放送するテレビ局にとっては、左旋方式の視聴環境を整えなくては、放送しても限られた視聴者だけを対象にすることになる。左旋方式で放送する局にとっては、新たなアンテナや分配器などを購入しなくてはならないというハードルを、早期に解決する必要があるというわけだ。

 現時点では、量販店では右旋および左旋の両方に対応したアンテナが主流になりつつあるので、アンテナを買い換える予定であれば、それを選んだ方がいいだろう。

 ちなみに、家庭内での電波漏えい対策には助成金制度もあるので、この制度を活用することをお勧めしたい。

 なお、ケーブルテレビで放送を視聴している場合には、4K専用のセットトップボックスが必要だ。これは、各ケーブルテレビ会社に問い合わせるのがいいだろう。

 また、4Kテレビに4Kチューナーを接続する際には、HDMIケーブルを使用する。このとき注意をしなくてはならないのは、ハイスピードHDMIケーブルが必要だという点。とくに、HDR対応テレビなどと接続する場合には、18Gbps対応HDMIケーブルを使用しなくてはならない。どのHDMIケーブルでもいいというわけではなく、一定性能以上のHDMIケーブルで接続する必要があることを知っておくべきだ。

4Kチューナー 4Kチューナー

 そして、4K放送を録画するのであれば、4Kチューナーを搭載したレコーダーを購入する必要がある。もちろん、三菱電機の4Kテレビのように、ハードディスクを内蔵した製品ではそのまま4K放送の録画は可能であるし、4Kチューナーを搭載したテレビや、4Kチューナーがあれば、ハードディスクを接続することで、4K放送の録画は可能だ。ただ、4Kチューナーを搭載していない4Kテレビの所有者は、4Kチューナーを買わずに、4Kレコーダーを購入するという手もある。

 現在、4Kレコーダーの発売を表明しているのは、パナソニック、シャープ、ピクセラの3社だ。

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