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» 2018年11月16日 07時00分 公開

杉山淳一の「週刊鉄道経済」:“あの事件”の舞台・新潟県十日町市で味わう自然 「サンクス・ツーリズム」のススメ (1/7)

首都圏に住む人々は新潟県十日町市に借りがある。かつてJR東日本が「事件」を起こしたが、7年前には電力不足を救ってくれた。できれば観光に行こう。暮らしを支えてくれる地域に感謝して訪ねる「サンクス・ツーリズム」を提案したい。

[杉山淳一,ITmedia]

 首都圏に住む人々は新潟県十日町市に借りがある。すっかり忘れてしまったかもしれないけれど、私はいまでも感謝しているし、当時の恩を思い出すと胸が熱くなる。

 病院、信号機、照明、そして私のようにPCが動かないと仕事にならない人は、7年前の十日町市の親切を思い出してほしい。そして、できれば観光に行こう。とても良いところだ。

photo 新潟名物「へぎそば」は十日町発祥。からしで食べる伝統がある

 先日、十日町市を旅した。訪問のきっかけは、北越急行が企画した鉄道ファン向けのツアー。女子鉄アナウンサーの久野知美さん、鉄道ファンとして知られるホリプロの南田裕介マネジャーと行く「 鉄分“ほっくほく”ツアー」だ。このレポートは姉妹サイトの「ねとらぼ」で12月に紹介する予定だ。今回は翌日の旅の話である。

 ツアーでは、十日町駅に午前9時30分頃に集合し、午後5時頃に解散となった。十日町駅は、上越新幹線で越後湯沢まで行き、そこで乗り換えて約35分。東京からだと約2時間。早朝出発で日帰り可能だ。しかし、あえて解散後に1泊し、翌日はレンタカーを借りて観光して回った。

首都圏の電力不足を救った十日町

photo 新潟県十日町市の位置(国土地理院地図を加工)

 十日町駅は北越急行ほくほく線とJR東日本の飯山線が通っている。飯山線は34年前に乗って以来、すっかりごぶさた。ほくほく線は北陸新幹線開業までは首都圏と北陸を結ぶ定番ルートで、上越新幹線「とき」に乗り、越後湯沢で在来線特急「はくたか」に乗り継ぐ。その途中に十日町駅がある。しかし降りる機会はなかった。私にとって「十日町」は「通過町」だった。

 そんな十日町に関心を寄せるきっかけは、JR東日本信濃川発電所の水利問題だった。これも知る人は少ないかもしれないけれど、JR東日本は毎日大量の電車を走らせるために、自前の発電所を持っている。一つは新潟県の十日町市と魚沼市にまたがるJR東日本信濃川発電所。もう一つは神奈川県川崎臨港地域にあるJR東日本川崎火力発電所だ。この2カ所で生み出される電力は、JR東日本が首都圏で使う電力の9割に上る。

 事件は信濃川発電所で2008年に起きた。JR東日本が国から許可を得た水量よりはるかに多く取水して発電を行っていたことが発覚。その後の調査で1998年から不正を行っていたことが明らかになる。

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