拡大を続けるインバウンド市場。2018年に訪日客数は初めて3000万人を突破した。中でも巨大なシェアを占めているのがお隣、中国からの客だ。かつては家電量販店やドラッグストアで両手いっぱいの袋を抱える「爆買い」がよくみられた。
ただ、最新の中国人の日本旅行へのニーズは、そうした往年のイメージから変化してきているようだ。中国市場のマーケティング支援を手掛けるトレンドExpress(東京・千代田)が中国人向けSNSのつぶやきを通じて彼らの訪日時に「したいこと」「行った場所」を調査したところ、買い物など従来の人気のアクティビティーだけでなく、「森林浴」といった意外なキーワードが並んだ。
調査は18年分の中国版Twitterとも呼ばれるSNS「ウェイボー」の18年分のつぶやきが対象。「日本でしたいこと」に関するつぶやきを集計した。1位には「買い物したい」、2位「日本料理を食べたい」、3位「温泉に入りたい」など、いかにも外国人が日本に求める内容がランクインした。
ただ、ちょっと不思議な項目が急上昇したケースも。7位になったのは「森林浴」。もともと中国の都心部は大気など環境事情があまり良くなく、国外できれいな空気を味わいたいというニーズが高い。加えて、欧米圏で森林浴が「フォレスト・ベイジング」などという名称で注目され、訪日客に人気のアクティビティーとなってきたこともあるとみられる。
同様に17年より順位を上げたのが8位の「エステ」、10位「美容院」といった美容系の項目だ。トレンドExpressなどによると、16年時点で中国でのエステ市場は5.4兆円規模まで拡大した。実際、同社の担当者によると日本のホテルに併設しているスパやエステ体験ツアーが人気という。
もともと日本の化粧品や美容用品は越境ECなどを通して中国で絶大な人気を誇っている。中国での所得水準の向上から、従来の「モノ消費」だけでなく「コト消費」にまで関心が向かい、エステや美容院へのニーズが高まったとみられる。
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