数年前の「爆買い」が落ち着いたとはいえ、いまだに旺盛な中国人の間での日本商品人気。中国本土から訪日して買う人だけでなく、最近は越境ECの利用や、「ソーシャルバイヤー」と呼ばれる日本在住の個人バイヤーからSNS経由で購入するケースも増加している。
少子高齢化を背景に食品をはじめ内需が先細りする中、中国需要を当てにする日本企業も少なくない。実際に2018年、どのような日本商品が人気だったのか。中国向けマーケティング支援を手掛けるトレンドExpress(東京都千代田区)によるSNSデータの分析結果をひもとくと、特に飲食品でちょっと意外な結果が見えてきた。
同社は中国版Twitterとも呼ばれるSNS「ウェイボー」の1〜10月分データを集計し、日本商品を「買った」と投稿した口コミを分析。計約744万件と前年比約100万件増になり、依然として日本商品の高い人気をうかがわせた。
トップ人気となった商品はピジョンのベビースキンケア用製品「薬用ローション(ももの葉)」。カテゴリー別でも1位が「コスメ・美容」で、2位に「衛生・健康」、3位「医薬品」と続く。美容・ヘルス系や乳児向け商品に人気が集まった。肌や口に触れる商品ジャンルで、従来通り日本製品への高い信頼感が表れた。
ただ、飲食品の分野に目を向けるとちょっと意外な結果が見えてくる。トップとなったのはビームサントリーの「サントリーシングルモルトウイスキー 山崎」。日本商品の総合ランキングでも2位となった。飲食品ジャンルでは、2位の「白い恋人」(石屋製菓)、10位の「白いブラックサンダー」(有楽製菓、北海道限定)など、中国人に大人気の観光地である北海道ゆかりの商品群を破った。
日本でも原酒不足で生産終了の商品が出るなどブームのウイスキーだが、なぜ中国でも人気なのか。トレンドExpressの担当者は「中国の都市部では所得が上がったことからワインなど洋酒が人気。ウイスキーを飲むことがかっこいいイメージで、ステータスになってきた」とみる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング