赤ヘルの長野久義が広島の地にもたらす、“スゴい効果”の予感赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)

» 2019年01月24日 11時10分 公開
[臼北信行ITmedia]

 ついに「赤ヘルの長野」が広島の地へ降臨した。巨人から広島東洋カープに移籍した長野久義外野手が1月23日、マツダスタジアムで入団会見を行った。冒頭のあいさつでは珍しくかんでしまい、自ら“テイク2”を要求して集まった報道陣をドッと沸かせるなどのっけから大爆笑モード。真新しい背番号5のユニフォームに袖を通すと、本拠地のグラウンドでポーズも決め、サービス精神旺盛な姿勢で早くもカープファンのハートをガッチリとつかんだ格好だ。

 2年連続MVPの丸佳浩外野手が国内FA権を行使し、巨人へ移籍。大黒柱を失ってリーグ4連覇に黄信号が点滅していた広島だったが、人的補償によってこれ以上ない戦力の穴埋めに成功した格好だ。いや、考えようによっては丸以上の“補強”と言えるかもしれない。

 確かにここ数年の成績だけで判断すれば、丸のほうが格上であることは誰の目にも明らかだ。しかしながら長野には丸にはないベテランならではの経験値に加え、何より重圧がかかるジャイアンツで、入団からここまで主力としてチームをけん引してきた実績が兼ね備わっている。

(写真提供:ゲッティイメージズ)

 広島は昨季、チームを縁の下から支えてきたベテラン・新井貴浩が現役を引退。巨人で選手会長を務め、選手たちのまとめ役として慰労会の幹事も率先して買って出ていた長野は、新井の後を引き継ぐ精神的支柱になれる素質が十分にある。外野手兼強打者の丸、そして新井が不在となった2つの隙間を一気に補てんできる能力を持ち合わせている新戦力として、白羽の矢が立てられた格好だ。つまりカープにとって長野は期待通りの活躍をしてもらえれば、“丸プラス新井”になれるというソロバンを弾いているのである。

 そして入団会見で見せたような明るい性格の持ち主であることも、迎え入れるカープにはとても新鮮であろう。周囲への配慮や、そして場の空気を読む力もまた天才の域に達していると評していい。ここまで良くも悪くも超個性派集団のジャイアンツの面々がぶつかることなくまとまっていたのも、この長野が実は見えにくいグラウンド外で先輩後輩を問わずに気を配り続けていたおかげなのだ。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.