そこで気になるのは今後の展開だ。現在、リーバイスはデニムの新素材の開発やカスタマイズをウリにした新サービスに力を入れているが、それだけで顧客を引きつけることができるかどうかは疑問だ。
かと言って、デニムをファッショナブルにしようとして、スタイルを極端にいじり過ぎると、顧客が求める本来の良さが失われてしまう。歴史あるブランドであるがゆえに、ブランドイメージをどう扱うのかは非常に難しい問題だ。
デニムは、歴史的背景から、男らしさやたくましさと強く結びついている。男にとって必要な安定感や自信の拠り所であり、デニムの本質はそこにある。
リーバイスの飛躍は、デニムだけのブランドからの脱却にかかっているが、いかにブランドイメージを崩さず、その殻を超えられるかが課題となるだろう。再上場で資金を確保したリーバイスが、今後どのようにブランドの世界観を広げて行くのか注目したい。
大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。
『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。
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