――静岡ホビーショーのもう一つの魅力として、日本中のプラモデルファンが作品を持ち寄って展示する合同展があるとお聞きしました。
これは30年前から始まった催しなのですが、見本市会場の一部を使って、モデラーが自分の作ったプラモデルをサークル単位で展示するというものです。今年は293サークル、約1万点の作品が展示されました。この展示会の良いところはコンテストではなく、誰もが自分の作りたい作品を作って、展示できるところにあります。この展示会も海外から参加するサークルが増えていて、国際的なイベントになっています。すごい熱気ですよ。
――会場を拝見しましたが、確かに大きな盛り上がりを見せていました。これまで昭和、平成とプラモデルは子どもたちにとって必須のアイテムでしたが、令和という新時代、プラモデルはどうなっていくと思いますか。
これからのプラモデルがどうなっていく、なんて大それたことは言えないのですが、僕は年頭のあいさつでも「平成はゲームに負けた時代だ」と言ったのです。平成の後半はゲームに負けっぱなしでした。
令和の時代はプラモデルがゲームにぜひ打ち勝って欲しいと思いますよ。確かにゲームは面白い。でもプラモデルにはゲームにはないアナログさがあって、それが大きな魅力なのです。私は常々言っているのですが、日本のモノづくりはプラモデルから始まると思います。
今の子どもたちは7割以上がプラモデルを作ったことがないと言いましたが、プラモデルを作ることによって、カッターやドライバーの正しい使い方を知り、組立説明書をきちんと読む能力を身につけるわけです。そして何よりもプラモデルを作ることで「ああ、四駆ってこうなっているんだ」「自動車ってこういう構造になっているんだ」と実物を知ることができる。
最もアナログなプラモデルを作ることで、モノづくりの基本が身につくんだということを、ぜひ知って欲しいですね。アナログなプラモデルでヴァーチャルなゲームに対抗するんです。
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