子どもの学業成績
……さて、いかがでしょうか。日本のシングルマザー世帯の貧困率は先進国でも突出しています。子どもの貧困率の高さも問題視されていますが、その背景には、ひとり親かふたり親かという格差が存在し、その格差は年々拡大しているのです。
調査では、末子が中高生年齢層の母子世帯では、よりいっそう困窮している状況が明かされましたが、その主な原因が「母親の収入と子どもの教育費のギャップ」です。
半数以上のシングルマザーは非正規雇用のため、収入はほとんど増加しません。一方、子どもの教育費は年齢が高くなればなるほど増えるため、生活は困窮する。なんとも言葉にしがたい現実ですが、シングルマザーが増えている今の日本社会で、シングルマザーの貧困は早急に解決しなければならない大きな問題であることは間違いありません。
もし、こういった状況を誠実に受け止めれば、高い受験料がかかり、専用の参考書が必要な民間の英語試験を導入しよう、なんて議論にはならないはず。
ところが、悲しいかな上級国民たちにはそんなことは関係なし。民間試験導入を決めたということは、「そんなの俺らが知ったこっちゃない」と、弱者切り捨てを容認したと同義なのです。
なんだか書いているだけでむなしくなってくるのですが、貧困の最大の問題は「普通だったら経験できることができない」という、機会の略奪です。
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