「8〜9割以上のお客さまが3000円分を超えてご飲食いただいています。平均して1人当たり5000〜6000円分くらいはご飲食されますから、実質半額というケースが多いです」と語るのは、運営会社「Style(スタイル)」定楽屋ブランド統括マネージャー 第一事業部店舗責任者の前田真実氏。
スタイルは、京都市中京区に本社がある資本金1000万円の飲食ベンチャーで、2015年に設立された。全国に50店ほどを展開して急成長中の企業である。同社は、宇治茶を使った創作和食「煎右衛門」を京都駅前に創業して以来、多くの業態を展開するが、ヒットした定楽屋は最大の店舗数を持つ主力業態となっている。
前田氏によれば「たいていのお客さまはお腹を空かして来店されます。中には1人で1万2000円分ほども飲み食いをしていく方もいらっしゃいます」とのこと。定楽屋に行く日には気合を入れて、朝食や昼食を抜いてお腹をペコペコにして、元を取りに来ようとする顧客が珍しくないそうだ。
採算面を聞いてみると「正直、ギリギリ。厳しいです(笑)。でも、普通の食べ放題よりも質を良くしてお客さまにご満足していただけるように、努力しています」(前田氏)と薄利多売の様相。
定楽屋では、顧客は5000円分くらいの飲食をしているようだ。一方、たまに3000円以下、ごくたまには1万円分以上の飲食をする人もいるとのこと。そこでどう採算を合わせるか。
1ついえることは、店舗の改装にはお金をかけていない。訪問した名古屋金山店は大手チェーン店の跡に、ほぼそのまま居抜きで入っていた。
これまでの店舗では、平均して80〜90人分の席数であったが、最新店となる10月1日にオープンした西鉄久留米駅前店(福岡県久留米市)は180席。通常の2倍の広さを有している。
名古屋金山店は、連日2回転近くするほど盛況とのこと。夜が早く、1回転すれば繁盛店とされる名古屋の居酒屋事情を考えれば、集客は好調だ。高い集客力を背景としての大箱への挑戦である。
また、6割の顧客がリピーターとなっており、料理・接客を含めた顧客満足度の高さがうかがえる。顧客層は20〜60代と幅広いが、立地によって異なる。名古屋金山店ではオフィス街に近いこともあり、40〜60代が多い。一方、天神大名店(福岡市)など九州の店舗は20〜30代が主流という。
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