1833社のうち、新型コロナの影響が本格的に表れたとみられる6〜9月を決算とする企業で、18年から20年の収入高が比較可能な432社をみると、19年6〜9月期は、減収企業が75社(構成比17.4%)だったのに対し、20年6〜9月期は減収企業が353社(同81.7%)と8割強を占めた。帝国データバンクは「新型コロナの影響で、テレワークが増えたことに伴い、ワイシャツやスーツなどのクリーニング需要が減少し、収入高が悪化した企業が大幅に増加した」と指摘する。
432社の19年6〜9月期と20年6〜9月期収入高の増減率平均をみると、19年6〜9月期は平均1.0%増だったのに対し、20年6〜9月期は平均14.9%減と、2桁減にまで落ち込んでいる。
また、各決算月別の増減率平均をみると、20年6月期は平均9.5%減だったものが、同7月期は平均15.8%減、同8月期は平均16.9%減、同9月期は平均19.7%減にまで減少幅が拡大。新型コロナの影響を長く受けるほど収入高の減少幅も拡大している。
20年6〜9月期の収入高規模別に動向をみたところ「1億円未満」(282社、構成比65.3%)の小規模企業の8割強が減収となった。また「1億〜10億円未満」(142社、同32.9%)の8割弱が減収となり、「10億〜50億円未満」(8社、同1.9%)の7割強も減収となるなど、企業規模を問わず苦戦を強いられている。
クリーニング業界は、もともと同業他社との競合が激しいなか、昨今はクールビズの浸透や衣類・洗剤・洗濯機の性能の進化で、クリーニング店に持ち込まれる頻度も伸び悩んでいる。こうしたなか、新型コロナウイルスの影響で、テレワークが定着しつつあり、ワイシャツやスーツなどのクリーニング需要が減少を余儀なくされ、厳しい状況が続いている。
帝国データバンクは「中堅以上の業者は、新規出店や価格改定による値上げなどにより、需要の伸び悩みをカバーし、収入高を維持することが可能とみられる。一方、小規模業者は値上げが厳しく、固定客以上に新規顧客獲得が難しいうえ、経営者の高齢化も進み、新型コロナの影響に伴う業績悪化が続くことになれば、廃業もしくは倒産などが増加する可能性もあろう」と分析する。
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