すご腕スナイバー、ゴルゴ13ことデューク東郷の活躍を描く漫画『ゴルゴ13』の作者、さいとう・たかを氏がお亡くなりになった。
政界きっての「漫画好き」と知られ、さいとう氏とも対談や会食の機会があった麻生太郎氏も、その死を悼むとともに、マスコミ記者に対してこんな賛辞を送っている。
「あれだけインターナショナルな小説ってあるかね? オレ、あんまり小説読んでるほうではないけど、お宅らの新聞にもあれだけインターナショナルに構成されているものはないんじゃないかなあ」
興味のない方からすれば、「80過ぎたおじさんがマンガをこんなにアツく語るなんて」と軽く引いているかもしれないが、実はこれは麻生氏だけに限った話ではない。政治家、官僚の間で『ゴルゴ13』は非常に高く評価されているのだ。例えば、元外務省主任分析官の佐藤優氏も、その時々の世界情勢が見事にまとめられていると指摘。こんな意外な使われ方も明かしている。
《外務官僚はよく、政治家へのブリーフィングに『ゴルゴ13』を使っていました。政治家のすべてが、理解力が高いわけではありませんので、うまく説明できないと伝わりません。そこで、「ゴルゴのこの回でもこう描かれているのですが……」と話の枕で振ると、食いついてくれる。きっと政治家にアンケートを採ったら、『ゴルゴ13』を読んでいない人は、1%未満だと思いますよ》(NEWSポストセブン 2018年11月25日)
ただ、個人的には、政治家や官僚もさることながら、『ゴルゴ13』をもっとも読むべきはビジネスパーソンではないか、と感じている。
「仕事の質を上げる、気づきがある」「365日分の差は、かなり大きい」なんてCMをやっていた日経電子版のように、『ゴルゴ13』も仕事の質を上げる気付きが多々あるからだ。全202巻を読み続けた人とそうではない人の「差」はかなり大きく、得られる情報の質、精度は決して日経電子版にもひけを取らない。いや、下手すると上回るほどだ。
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