今回の対応について、消費者はどのように感じているのだろうか。調査事業などを手掛けるmitoriz(東京都港区)は、「オーケー、花王製品『値上げで一部中止』 消費者はどう感じた」をテーマにWebでアンケート調査を実施した。
同調査は、半年以内にオーケーで花王製品を買ったことのある108人に対して、今回の騒動を受けて感じたことを尋ねた(複数回答可)。すると「原材料や物流費の高騰が理由の値上げはしょうがない」と花王を肯定する意見が、最多の43.0%を占めた。また「オーケーで購入していた花王の商品が取り扱いがなくなると困る」は31.8%という結果に。一方で「エブリデーロープライスを貫いていると思う」と、オーケーを支持する意見も30.8%あった。オーケーにどこまでもついて行く“信者”も相当数いると考えられる。
また、同じ108人に対して「オーケー来店時に花王製品がない場合に取る行動」を聞いた。結果は「他の店で買う」が57.0%。一方で「他社のメーカーの同様の製品を買う」が36.4%となった。
6割近くが他店で買うとしている。オーケーにしてみれば、信者は安泰でも、ライトなファンを競合他社に取られかねない調査結果になった。
花王の製品は、全国的に知名度が高いブランドも多く、ユーザーは子どもの頃から使い慣れている。先述したように「トイレマジックリン」など有名ブランドがオーケーからごっそりなくなるのだから、これまで売り負けていた競合スーパーとしては絶好のチャンスだ。花王製品を山ほどそろえて、オーケーに一泡吹かそうと仕掛けてくるに違いない。
そして、近年伸張が目覚ましいドラッグストアに、オーケーは顧客を奪われかねない。「ウエルシア」「コスモス」は、オーケーと同じ「Everyday Low Price」を標榜(ひょうぼう)したチェーンで、食品も強化している。オーケーよりも小回りが利き、商圏人口1万人程度で成り立つ。実際に使ってみればオーケーほどの品ぞろえはなくても、なかなか便利。花王製品をきっかけに一度ドラッグストアに行った人が、オーケーに戻って来ない事態も考えられる。
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