今、ビックリマンブームが再燃している理由:一大ブームの仕掛け人たち(2/5 ページ)
2000年ごろに到来した2度目のブーム以降、販売が大きく低迷し続けていた「ビックリマンチョコ」。このままこのブランドが忘れ去られてしまうのではという危機感の中、打ち出したアイデアがいかにしてヒットにつながっていったのだろうか。
ターゲットを“少しずつずらす”
そうとはいえ、ビックリマンを知らない世代にいきなり商品を訴求しても、すぐに興味を持ってもらうことは難しい。そこで、どうすれば若い消費者をはじめとする新規ファンに注目されるかを考えた末、新しい試みとしてコラボ商品の開発に取り組んだ。
その第1弾が人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」とコラボした「ももクロマンチョコ」である。これが2013年9月の発売と同時にコンビニで品薄になるほどの売れ行きとなった。
コラボ商品を導入する際、いかにビックリマンチョコ自体に興味を抱いてもらえるかが成功のポイントと考えていた。シークレットシールにはスーパーゼウスをモデルにした「マネージャーゼウス」と、同じくビックリマンのスターキャラクター的存在であるヘッドロココをモデルにした「マネージャーロココ」を採用し、新規ファンにもビックリマンの世界観を体験してもらおうと考えた。
このシールがももクロファンの間で話題となり、ネット上でも「ゼウスってなに?」「ヘッドロココってビックリマンチョコの人気キャラらしい」などの反響があった。こうしてビックリマン自体のキャラクターにも興味を抱いてもらうことができたのだ。この成功が、以後のコラボ商品の展開へとつながったのである。
なお、こうしたコラボ商品の展開のポイントに掲げたのは、ターゲットとする年代を“少しずつずらす”ことである。次世代に幅広くつなげるということを意識しながら、私たちはコラボ商品を企画しているのだ。
2014年から2015年にかけては、人気スマホゲーム「パズル&ドラゴン」とコラボし、チョココラボ商品だけでなくアプリゲーム内でも楽しめるビックリマン企画を展開。10〜20代が支持するゲームにビックリマンキャラクターが入ったことで、10〜20代の新たなファン獲得につながる効果的な施策となった。
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