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創薬ベンチャー企業のアキュセラ、治療薬候補「効果なし」で株価急落
創薬ベンチャー企業「アキュセラ」が加齢黄斑変性の治療薬を開発していたが、臨床試験の結果「効果なし」と公開。売りが集中している。
マザーズ上場の創薬ベンチャー企業「アキュセラ」が5月26日、加齢黄斑変性の治療薬として開発していた「エミクススタト」の臨床試験のデータを発表した。加齢黄斑変性とは、加齢により網膜中心部の黄斑に障害が生じてものが見えにくくなる、日本の失明原因の第4位の病気。
発表によると、ドライ型加齢黄斑変性の地図状萎縮に対する薬効について「統計学的有意差を示せなかった」という。本来発表は6月の予定だったが、5月25日に明らかになった臨床試験の結果を「一刻も早く投資家の方々に知らせる必要があると判断」し、本日発表した。
アキュセラは「世界から失明を撲滅する」を掲げ、白内障や網膜色素変性症などを治療する新薬や医療技術を開発。投資家の注目を集め、株価は上昇傾向、5月25日午前には年初来最高値の7700円になったが、午後には5790円と急落。結果公開後の本日は600万株以上の売りが集中し、取引は成立せず、ストップ安水準まで下落している。
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