大名たちが争いを止めなかった「沼田問題」って?:「真田丸」を100倍楽しむ小話(1/2 ページ)
上杉、北条、武田など戦国時代の諸大名がこぞって領土を争った沼田。最終的には真田の手に渡るわけですが、なぜ皆、そうまでして沼田を欲しがったのでしょうか。
「真田丸」を100倍楽しむ小話
この連載では、歴ドル&信州上田観光大使を務める小日向えりさんとともに、NHKの大河ドラマ「真田丸」に登場する人物、あるいは名シーンなどを取り上げて、よりドラマを楽しめるような情報や小ネタをお伝えしていきます。連載バックナンバーはこちら。
編集部F: 『真田丸』が今年1月にスタートして以来、ドラマの中で何度も「沼田」(現・群馬県)の領土を巡り、上杉、北条、武田など各大名の攻防が展開されてきました。
先週(6月5日)の放送で、ようやくこの「沼田問題」が解決したかに見えたのですが、すぐに北条側が私闘を禁じる「惣無事令」を破って暴走し、名胡桃城を乗っ取りました。ついに豊臣秀吉による小田原攻めが始まろうとしています。
小日向: そうですね、沼田問題は真田家を語る上で必ず触れなければいけないテーマだと思います。先週の真田丸では、小林隆さん演じる片桐且元がこの問題の経緯について分かりやすく解説していましたが、最近私もみなかみ町(群馬県利根郡)で行われた「真田丸ライブビューイング」に出演した際に、プレゼン資料を作って沼田問題を説明したんですよ。
編集部F: 確かに、このところ小日向さんのTwitterを見ていても、もっぱら沼田問題のツイートが多く、お熱を上げているご様子です(笑)。ここでは沼田問題の細かな内容について語ろうとは思いませんが、そもそもなぜ沼田がこんなに大名たちの間で“ホット”だったのでしょうか?
小日向: 何と言っても、北関東における交通の要衝で、重要な軍事拠点だったからです。越後や信濃、会津など各方面に向かう交通路が集まっていました。この場所を制すれば今後の領土拡大などに有利であるため、周辺諸国の大名たちはぜひとも沼田を手に入れたかったわけです。
編集部F: なるほど、昔から交通の要衝は価値があるということですね。ちなみに当社の最寄り駅は青山一丁目駅で、半蔵門線、銀座線、大江戸線と3つの路線が通っていて、どこへ行くにも割と便利なのですが、来月に麹町駅付近に移転するため、路線は有楽町線1つだけと、大変不便になります。沼田から領地替えさせられる気分です。
小日向: 戦国時代は今のように道も少ないですから、3つの街道が交差する沼田は、おっしゃる通り、複数の路線が乗り入れる駅みたいにとても便利だったんですね。
編集部F: そんな沼田ですが、現在は都心から訪れるのがちょっと大変ですね。東京駅から新幹線と在来線を乗り継いで2時間ちょいかかります。私はまだ沼田城に訪れたことがないのですが、どんなところですか?
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