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世界から見た大相撲問題の本当の「異常さ」 (2/4)

大相撲の暴行事件騒動が、まだくすぶっている。この問題、相撲に詳しくない外国人からはどのように映っているのか。カナダ人ジャーナリストに聞いたところ、相撲界の異常が浮き彫りに……。

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大相撲、外国人には「Fixed」に映る

 すると、それまで相槌を打ちながら聞いていた知人は、力士たちが一緒に酒を飲んでいたとの話の部分で「それは相撲の世界ではオッケーなのか?」と聞いた。

 そう、その問いこそが「異常さ」のひとつなのだ。

 これから戦う者同士が、試合の前日に一緒に過ごしているというのは、このジャーナリストに違和感を覚えさせたのである。さらに会話が進むと、「相撲は“Fixed”(不正に仕組まれている)だと言われても文句は言えないな」と、知人は言った。

 客観的に見ると、個人戦の相撲で対戦するはずの仲間同士が仲良くしていると、取り組みに関しても“助け合っている”可能性を指摘する声が出るのはもっともである。相撲を愛する人たちにしてみれば「普段一緒に飲んでいても、星を“助け合う”なんてことはあり得ない」と言いたいかもしれないが、相撲を贔屓目(ひいきめ)に見ない「外部」にはそれは通らない。

 結局、外国人には大相撲が「Fixed」であるかのように映ってしまう。少なくとも、世界的にもそう認識されても仕方がないということだ。欧米ではどんなスポーツも賭博の対象になっているし、勝負には多額の賞金が出る。例えば、今回の騒動を報じた英公共放送BBCは、顛末に加えて、力士がトップに上り詰めると、スポンサー料などを含め月に6万ドルは稼ぐと書いている。大金が動く勝負の世界では、「真剣勝負かどうか」「不正はないか」というのは非常に大事な部分である。

 週刊新潮は12月7日号で、モンゴル力士同士の「星のまわし合い」(いわゆる“無気力相撲”を取るなど)について詳細な記事を掲載している。それを受けて、日本相撲協会は抗議文を送ると発表しているが、もちろんこうした疑惑はこれまでも相撲の世界で何度も指摘されてきた話である。にもかかわらずモンゴル人力士同士が大会前日に一緒に酒を酌み交わしていたという事実自体、相撲界の認識の甘さを露呈している。


大会前日に、力士同士が一緒に酒を飲んでもいいのか

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