「mineo」がソフトバンク回線に対応 “トリプルキャリア”で目指すものとは:独自路線行くMVNO(1/3 ページ)
VNOのmineoが9月からソフトバンク回線の提供を始める。すでにauとNTTドコモの回線を提供しているため、3大キャリアの全ての回線が利用可能となった。現在はMVNO市場5位となる106万回線を獲得しているが、今後は2020年までに200万回線の獲得を目指すという。
MVNO(仮想移動体通信事業者)「mineo(マイネオ)」を運営するケイ・オプティコムは7月23日、9月4日からソフトバンク回線の提供を始めると発表した。すでにKDDI(au)とNTTドコモの回線を提供しているため、3大携帯電話事業者(キャリア)の全ての回線が利用可能となった。これにより、20年までに累計200万回線の獲得を目指すという。
顧客を大切にしてシェア上位
mineoは14年6月にサービス開始。「Fun with Fans!」をキャッチコピーに掲げ、ユーザーと密接なコミュニケーションを取って顧客満足度を高める独自の戦略を採用している。具体的には、ユーザーが運営側に新アイデアを提案できるコーナーなどを設置したコミュニティーサイト「マイネ王」を運営するほか、運営側とユーザーが直接対面するオフ会なども開いている。
こうした施策が奏功し、18年6月の時点で、MVNO市場5位となる106万回線を獲得している。ただ大手キャリアのほか、Y!mobileやUQ mobileなどのサブブランドが安価なプランを充実させている影響で、MVNO市場全体の成長スピードはやや鈍化している。ソフトバンク回線への対応は、こうした状況下で他社と差別化を図り、さらにシェアを伸ばすための施策だ。
藤野隆雄氏の後を継ぎ、今年6月に社長に就任した荒木誠氏は「従来はSIMロック解除に手間がかかることがMVNOへの乗り換えを阻害していた。だがmineoは全キャリアを網羅することで、この“SIMロックの壁”を打破できる体制が整った」と自信を見せる。
夫婦で異なるキャリアと契約していたが、節約のために端末を変更せずにMVNOに乗り換えたい、キャリアの古い端末にSIMカードを挿して、子どもに使わせたい――といった需要に答えられるため、家族客の獲得にもつながるとしている。
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