ニュース
ワタミが“ビッグデータ集客”に挑む深い理由:グルメサイト頼み、変える(3/3 ページ)
ワタミがビッグデータを活用した集客実験を開始した。予約システムのIT化を図りデータを集積。グルメサイトばかりに依存しない販促を模索。
メニュー提案や出店計画にも活用
予約データからは、どの店でどんな性別、年齢、人数、利用目的の人が多いかといったユーザー属性が浮かび上がってくる。例えばあるエリアの店で「30歳くらいのゴルフ好きな男性がよく来る」という結果が得られた場合、外部の業者から合法的に購入した見こみ顧客の膨大なリストから合致する層を抜き出し、メールやWeb上のターゲット広告を打つことが可能になる。来そうな人に狙いを絞ってアピールすることで、手当たり次第に広告やメールを放つより、新規顧客開拓で高い効果を見込む。歓送迎会のシーズンである19年3月をめどに広告などを試験投入していく。
さらにはエリアごとのメーン顧客層に合わせたメニュー提案や、出店戦略への活用にも生かしていく。「どの客が何を注文したのか」というPOS(販売時点情報管理)情報と結び付けたマーケティング施策も模索するという。
グルメサイトのような外部サービスだけに頼らず、自社で顧客データを集積して分析し販促に活用する。小売りなど他の業界では最近浸透してきた手法だ。ただ、いかにも体力や経験重視のイメージが強かった飲食業界において、ビッグデータを生かそうとするワタミのマーケティング施策は果たして成功するか。
関連記事
- 「値上げはしない」苦境の吉野家が挑む“初めてのマーケティング”
コスト高にあえぐ吉野家が“初めてのマーケティング”に挑戦。新型店舗で女性客を取り込み多彩なクーポンも発行。今後は単価を高くするメニュー提案も。 - AIが無くすドブ板営業 Sansan、名刺データから最適な“出会い”提案
Sansanが名刺データをもとにビジネスで「次に社外の誰に会うべきか」をAIが提案するサービスを展開。アナログな営業手法を最適化する鍵に。 - 心折れる営業のテレアポ地獄、ビッグデータが撲滅!?
法人向け電話営業の自動化にベンチャー企業が挑戦。電話リストをビッグデータで自動作成。事前メールを活用してアポの成功率を高める。 - ハンバーガーの肉が倍になる夜マックが「客にも店にもオイシイ」真の理由
マクドナルドのパティが100円で倍になる「夜マック」が好調だ。夕食のニーズを創出したことに加え「完全な新商品」でない点が店側のメリットにつながっている。 - 「勝手に“天職”を見つけ出す転職AI」が進化 辞めたいタイミングを“予知”!?
AIを活用した転職サービス「scouty」にエンジニアの「転職意欲」を予測する機能が実装。企業は欲しい人材が本格的な転職活動に移る前にスカウトできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.