意外なところにあったNTT Comの「単一の障害点」

NTTコミュニケーションズのネットワーク障害は、分電盤の故障が原因。電源系統については十分な冗長化を図っていたが、障害が起きたのはそれ以外の部分だった。

» 2004年06月01日 19時52分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 5月31日午後に発生したNTTコミュニケーションズ(NTT Com)のネットワーク障害は、6月1日未明になって全面復旧した(別記事参照)。ほぼ半日続いたこの障害の影響は、企業向けデータ通信サービス(約2万回線)や全国のIP電話サービス(約34万番号)、OCNやHOTSPOT、さらにはNTTドコモが提供する定額制PHSサービス「@FreeD」などに及んだ。

 一連の障害の原因は、同社大手町ビルの電源設備(分電盤)の故障という。「電源系統についてはバックアップにバックアップを重ねていたが、今回障害が発生したのは、電源から機器まで電力を供給するラインの部分」(同社広報部)で、この部分は二重化されていなかったという。

 ただ、なぜこの部分に障害が発生したかについては、「まだ判明していない」(同社広報部)。機械的な故障なのか、それとも人為的なミスがきっかけだったのかも含め、現在調査を進めているところという。

 月末という時期にもかかわらず、障害が完全に復旧するまでにほぼ半日を要した。同社はその理由として、障害が非常に広範囲に及んだうえ、電源の再投入だけでなく再設定や動作確認の必要な機器が含まれていたことを挙げている。

 ネットワークの果たす役割が格段に重要になってきたことを踏まえると、ISDNといった他のサービス、あるいは他の事業者の回線を組み合わせるなどして、リスクの分散を検討する必要が高まってきた。NTT Comもこの点は認め、最終的には顧客側の判断や必要性に応じて選択すべきとしたうえで、「(こうした障害が)起きないよう、また万一起きた場合でもフォローアップができるよう体制を整えていきたい」としている。

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