ジュニパー、NetScreenシリーズをIPv6対応に

ジュニパーネットワークスは6月30日、IPv6に対応したセキュリティアプライアンス専用OS「NetScreen Screen OS 5.0」を発表した。

» 2004年06月30日 18時42分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは6月30日、IPv6に対応したセキュリティアプライアンス専用OS「NetScreen Screen OS 5.0」を発表し、同日より提供を開始した。

 同社は今年4月にNetScreen Technologiesの買収作業を完了し、IPSec-VPN/SSL-VPN/ファイアウォールといった機能を提供するセキュリティアプライアンス「NetScreenシリーズ」を製品ポートフォリオに加えている。NetScreenの製品は、国内市場でNokia、Cisco製品と並んで「御三家」的な地位を占めているが、ネットワークコア/エッジルータ、それにセキュリティ製品がそろってきたことを踏まえ、ジュニパー代表取締役社長の大須賀雅憲氏は、「対Ciscoの体制がいよいよ整ってきた」と述べた。

ジュニパーのブース ジュニパーのブースでは、「Juniper」ブランドとなったNetScreenシリーズと、IPv6 ShowCaseとを接続しての実機デモが行われている

 「Mシリーズ」「Eシリーズ」をはじめ、ジュニパーが提供するキャリア向け/メトロ向け製品は既にIPv6対応を果たしていた。だが「われわれのソリューションのうち、ファイアウォール/CPE分野におけるIPv6サポートが欠けていた」と、Juniper Networksのエンジニアリング担当バイスプレジデント、アンドリュー・カワード氏は指摘。同氏はさらに、IPv6は、研究/ラボレベルから現実のものへと変化しつつあるが、「そこで最も重要な要件の1つがセキュリティであり、ウイルスをはじめとするさまざまな攻撃からの防御が必要だ」と述べた。

 今回の発表により、ネットワークコアからエッジ、さらにユーザー側ネットワークにいたるまでがIPv6に対応し、その上でステートフルインスペクション型のファイアウォールやIPSec、といったセキュリティ機能が利用できることになる。IPv4/v6のトンネリングや変換など、既存の環境に合わせて柔軟に設定できることも特徴だという。

 一方でカワード氏は、関心は高いものの、エンタープライズがIPv6ベースのVPNを導入するにはやや時間がかかるだろうとの見方も示した。「いずれにしても、企業顧客がいざIPv6に移行しようと考えたときに、すぐそれを実現できる機能を提供していきたい」(同氏)。

 今回リリースされたIPv6対応のScreen OS 5.0は、NetScreen-5XT、204/208、500に対応しており、7月にはNetScreen-5000シリーズのIPv6対応が予定されている。それ以外の全製品については近い将来にIPv6対応可能となる予定だ。既存のユーザーには無償でアップグレードが提供される。

 また、現時点ではIPv6ルーティング機能はソフトウェアでの実装だが、将来的にはこれをASIC化していく計画もあるという。

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