第3回:Windowsファイアウォール設定を一括管理(4/4 ページ)

» 2004年09月22日 14時49分 公開
[吉成大知,ITmedia]
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・「ファイルとプリンタの共有の例外を許可する」

 ポートスキャンにて確認したところ、139/445番ポートの開閉について制御している。これもポートの開閉をコントロールするのではなく、IPアドレスによる制御が行える。ファイル、プリンタサーバ機能を提供する場合は必要である。社内ネットワークでは必要なケースが多いと思われるが、社外ネットワーク、インターネットに直接接続する場合、このポートは閉じる必要がある。

・「ICMPの例外を許可する」

 ICMPにはさまざまなタイプが存在するが、Pingの応答に応えるため、タイプ8である「着信エコー要求を許可する」を設定するだけでよいだろう。社外ネットワークのPCでは、ICMPは受け入れないほうが適切だ。社内ネットワークでは、管理上必要なケースが多い。

・「リモートディスクトップの例外を許可する」

 リモートディスクトップは、他のPCから操作対象のPCをネットワーク経由でGUIにてログイン出来る機能である。社外ネットワークに接続するPCでは必要性は感じられない。社内ネットワークでは、ユーザーサポートを行う場合必要な場合もあるが、基本的には必要ないだろう。

・「UPnPフレームワークの例外を許可する」

 UPnPは、プラグアンドプレイのネットワーク版である。LAN上に接続された機器は、接続されたことやその機能をマルチキャストで通知、機器からほかの機器へコントロールする。コントロールするためのメッセージは、基本的にXMLベースでやり取りされている。

 UPnPアプリケーションには、Windows Messenger/MSN MessengerなどのIMが挙げられる。社内ネットワークにおいては、このIMを使用しなければ、停止しても特に障害は出ないだろう。

・「通知を禁止する」

 インターネットからコネクションを張られ、かつWindowsファイアウォールの例外タブの中に登録されていないプログラムの場合、「プログラムをブロックする」「ブロックを解除する」「後で確認する」といったポップアップ画面がでる(画面20)

画面20 画面20■「通知を禁止する」を有効にするとこの画面が出なくすることができる

 「通知を禁止する」は、このポップアップ画面を出さない設定である。ポップアップ画面がでてしまうと、知識のないユーザーが「ブロックを解除する」をクリックしてしまい、インターネットからプログラムを通してコンピュータにアクセスされることになる。

・「マルチキャストまたはブロードキャスト要求に対するユニキャスト応答を禁止する」

 あるネットワーク内で稼働しているホストを調べるため、ブロードキャストPingを行うことがある。この管理用のブロードキャストPingを悪用した攻撃は、Smurf攻撃と呼ばれている。

 この攻撃は、ブロードキャストPingのパケットを送信する際、Ping応答の帰ってくる先を標的となるマシンのIPに偽装させる。その結果、すべてのマシンが偽装されたIPアドレスに対してPing応答パケットを送信してしまう。そうすると、偽装されたIPアドレスのマシンは過重負荷がかかることになる。これはICMPであるが、同様なことがUDPでも可能である。UDPでの攻撃はfraggle攻撃といわれる。

 これらの攻撃に対してこの設定が有効であり、結果としてネットワーク障害が起きにくい環境となる。この設定がされたコンピュータが、他のコンピュータへマルチキャスト/ブロードキャストメッセージを要求した後、他のコンピュータからのユニキャストレスポンスを3秒の間待つ。その後は、ユニキャストレスポンスを受け取らないようになる。ただ、DHCPに付いて仕様上、制御していないようである。

Windowsファイアウォールの推奨値

 以上が利用頻度の高いと思われる各項目の説明である。実際に社内システムに適用するに当たり、最後に筆者が推奨するWindowsファイアウォールの値を参考までに示した。

 Windowsファイルサーバ、社内WEBサーバ、sendmailサーバがあるような一般的な企業の環境を想定している。

ドメインプロファイル 標準プロファイル
ネットワーク接続をすべて保護する 有効 有効
例外を許可しない 未構成 未構成
プログラムの例外を定義する 未構成 無効
ローカルプログラムの例外を許可する 未構成 未構成
リモート管理の例外を許可する 有効(管理側のIPを入力) 無効
ファイルとプリンタの共有の例外を許可する 有効 無効
ICMPの例外を許可する 有効(エコー要求の着信を許可する) 無効
リモートディスクトップの例外を許可する 無効 無効
UPnPフレームワークの例外を許可する 無効 無効
通知を禁止する 有効 無効
ログの記録を許可する 未構成 未構成
マルチキャストまたはブロードキャスト要求に対するユニキャスト応答を禁止する 無効 有効
ポートの例外を定義する 未構成 未構成
ローカルポートの例外を許可する 未構成 無効

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