「システム維持管理コストをいかに抑え、ITシステムをどのように強化するか」に対しての答えはここにある

11月30日に行われる「Microsoft Management Summit 2004 Japan」では、マイクロソフトの提唱する「Dynamic Systems Initiative(DSI)」コンセプトと、それを実現するためのソフトウェアが一挙に紹介される。CIOあるいはシステム管理の責任者にとって知っておくべき、あるいは検討に値するソリューション提示の場となるだろう。

» 2004年10月15日 00時00分 公開
[宮内さとる,ITmedia]

 近年、サーバとして用いられるコンピュータは小型化の一途をたどっており、サーバシステムの分散化が当たり前のように進められている。一方でIT技術者、特にシステム管理者、ネットワーク管理者の方々は、分散化し複雑化したシステムの維持にかかるコストが、ITシステム関連コストのほとんどを占めているということに気が付き始めている。限られた予算内で新しいことを始めるには、システム開発のコストを抑えるだけでなく、システム維持に関わるコストをいかに少なくするかが鍵となっているといえる。

 こうしたシステムの維持コストを下げ、効果的なITシステムへの投資を行うには、設計、開発、運用というシステムのライフサイクルにおいて、最初の設計段階から運用を考慮した全体的な設計開発を行うことが必要である。

 マイクロソフトが掲げている「Dynamic Systems Initiative(DSI)」というコンセプトは、「Windowsプラットフォームを強化し、企業が分散システムを設計、展開、運用する際の作業を、簡素化および自動化するためのソリューションを提供する、マイクロソフトと業界の取り組み」と位置付けられている。ITライフサイクル全体を通じた複雑さへの取り組みであり、ITシステム全体に対する包括的なソリューションである。

 DSIはコンセプトであり、ひとつの製品あるいはいくつかの製品群ということではない。しかし、マイクロソフトが今後提供していくエンタープライズ製品にはすべて、DSIの考え方が浸透するようになるという。すでにWindows Server 2003やOperations Manager 2005といった製品では、DSIの考え方が適用されている。

 これらのマイクロソフト製品とDSIの考え方にもとづいた、新しいITインフラストラクチャおよびITシステムの進化について、より深い内容を知るチャンスがある。11月30日に東京・台場のホテル「グランパシフィック メリディアン」で行われる「Microsoft Management Summit 2004 Japan(MMS 2004)」だ。ここでは、Microsoft Windows Server 2003、Microsoft Operations Manager 2005、Microsoft Virtual Server 2005といった製品を中心に、DSIを支えるサーバ製品の最新情報やソリューションが紹介される。

 開催直後の午前中に行われる基調講演では、DSIによって実現される効率の良いITシステムやサービスの設計、開発、導入、運用管理について、また、これらを支える最新の製品群が説明される。

 そして午後からは、4つのトラックに分かれた計12のセッションが予定されている。各トラックは、クライアントマネジメント、サーバマネジメント、ネットワークマネジメント、アプリケーションマネジメントというテーマにそった内容で展開される。

 クライアントマネジメント トラックでは、クライアントPCを効率的に管理する方法が紹介される。特に、「SMS 2003とWUSによるセキュリティ更新プログラム管理ソリューション」と題するセッションでは、Systems Management Server 2003とWindows Update Servicesを使った、クライアントのセキュリティ更新プログラム配布と適用状況の確認といった、管理者の作業負担軽減のためのソリューションが紹介される予定となっており、注目に値する。

 サーバマネジメント トラックでは、注目のMicrosoft Operations Manager 2005(MOM)関連のセッションが続く。MOMでできることや、MOMによって効率化される業務はどういったものであるかを理解する一助となるはずだ。

 ネットワークマネジメント トラックでは、企業の組織内と外部のネットワークのセキュアな接続をいかに効率的に維持するかという観点から、Windows Server 2003 SP1やISA Server 2004といった製品の具体的な機能や使い方について解説される。

 アプリケーションマネジメント トラックでは、サーバアプリケーションを安全に効率よく配布、移行させるために、Virtual Server 2005を活用する方法などが紹介される。


 DSIという言葉は聞き慣れないものであるかもしれないが、考え方は分かりやすく合理的であると言える。DSIを実現するためには、MOMのような各種管理ツールが必要となり、実際の開発では、Visual StudioにもDSIをサポートする機能が必要となってくる。当然、Windows ServerといったサーバOSそのものや、SQL Serverのようなサーバアプリケーションについても、DSIをサポートする機能がインテグレートされてゆくだろう。

 11月30日のMMS 2004は、システム維持の管理コストをいかに抑え、より少ない負担で多くのことを行えるように(=do more with less)するための第一歩として、DSIを知りマイクロソフトの取り組みを知る絶好のチャンスとなるだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ