“Javaの進歩”を説くSun幹部、オープンソース化否定のスタンス変わらず

Sunの幹部らは、Javaプラットフォームをオープンソース化すべきでないとのスタンスを改めて強調した。

» 2004年11月11日 14時20分 公開
[IDG Japan]
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 米カリフォルニア州サンタクララで11月10日、Sun Microsystemsの幹部らがブリーフィングを行った。そこでの発言からすると、同社はJavaプログラミングの簡素化には意欲的だが、Javaのオープンソース化については依然、検討課題ととらえていない。

 SunとBorland Softwareの幹部らはこのセッションで、アノテーション、JVMTI(Java Virtual Machine Tool Interface)、パーシステンスAPIといったJavaの新技術が、Javaプログラミングの簡単化に有効という見方を示した。

 アノテーションは、最近リリースされたJ2SE 5.0で提供されている機能で、コードに印を付けてそこに特定のビヘイビアを盛り込むことができる。例えば、別個のXMLファイルなしに、税計算を実行するステートレスEJBをアノテーションとして書くことができる。

 SunフェローでJavaプラットフォーム&アーキテクチャ部門副社長のグラハム・ハミルトン氏によると、アノテーションは「J2SE 5.0の最も重要な機能」。

 またBorlandのJava技術ソリューション担当シニアプロダクトマネジャー、アクセル・クレーテル氏によると、「アノテーションはJ2EEの次のバージョンで影響力を持つようになる」。J2EE 5の次回改訂は2006年初頭になる見通し。Sunはいずれ、Java Studio Creatorでアノテーション機能をサポートする。

 パーシステンスAPIは、Javaオブジェクト作成に当たって、それらオブジェクトのデータをデータベースに保存することができる。パーシステンスAPIはEJBのバージョン3用に開発が進められており、J2EE 5で提供される予定。

 Sun幹部らとクレーテル氏はJVMTIにも言及した。これは、アプリケーションのメモリと時間の消費を計測するための標準APIでJDKに含まれる。Borlandは、アプリケーションパフォーマンス解析・診断ツールのOptimizeit ServerTraceの次期バージョンでこれをサポートする計画。SunはJVMTIをNetBeansオープンソースツールプラットフォームでサポートする。

 一方、Sunの幹部らは、Javaプラットフォームにおいては互換性の維持が重要であり、Javaベース技術はオープンソース化しても、Javaプラットフォーム自体はオープンソース化すべきでないというスタンスを引き続き強調した。

 Sunに対しては、IBMやBEA SystemsがJavaのオープンソース化を要請しているが、SunでJCP(Java Community Process)を担当するオノ・クライト氏は、「今日できない事のうち、何が(オープンソースJavaで)できるようになるのか」と問い掛けた。またハミルトン氏も、「われわれの真の強みは互換性にある」と加えた。

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