MS対Eolas、ブラウザ特許訴訟控訴審で再び対決

「Eolasが主張するブラウザ特許には先行する技術が存在した」――MSは控訴審で主張している。(IDG)

» 2004年12月10日 07時59分 公開
[IDG Japan]
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 Microsoft側の弁護士が12月9日、Microsoftに対して特許侵害で5億ドルの支払いを命じた判断を退けるよう、米連邦控訴裁で訴えた。Webブラウジング特許の基盤となっている技術はこの支払いを受ける会社が発明したものではないということを、下級審は理解していなかったと主張している。

 Eolas Technologiesは、ブラウザがWebページに組み込まれたアプリケーションを認識して実行する機能に関して特許を保有しているが、この機能はViola WWWブラウザを開発した“ペリー”・ペイ-ユアン・ウェイ氏が1993年にデモを行っており、これはEolasの特許が認められる5年以上も前のことだ――。コンスタンティン・トレラ弁護士はワシントンDCの米巡回連邦控訴裁で、裁判官を前にこう語った。

 これに対してEolas側弁護士のマーティン・ルーク氏は、特許は有効だと反論。ウェイ氏のブラウザは後のバージョンでこの機能を捨ててしまい、自分のブラウザで組み込みアプリケーションを実行できる機能のデモは誰にも見せたことはなく、1993年5月のSun Microsystemsのエンジニアとの会合でも披露しなかったと主張した。ウェイ氏が行ったViolaのデモにはインターネットに接続されていないコンピュータが使われており、従ってSun関係者に対し、自分のブラウザでインターネットを介してアプリケーションが実行できる様子を示すことはできなかった、とルーク氏は述べている。

 2003年8月の陪審評決ではMicrosoftに対し、Internet ExplorerでEolas特許を使ったことに対して5億2060万ドルの支払いを命じたため、Microsoftはこの判断を不服として控訴している。イリノイ州北部地区米連邦地裁判事も1月、この陪審評決を支持した。Microsoftは控訴裁に対し、特許侵害を認めた陪審評決を覆し、審理を地裁に差し戻すよう求めている。

 控訴審は裁判官3人の合議で行われ、ルーク氏に対し、特許の有効性について質問を投げかけた。この特許は1998年にカリフォルニア大学が取得。特許対象の技術は研究者のマイケル・ドイル氏が開発し、同氏は後にEolasを創設した。

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