ITを駆使するセキュリティの進化。「SECURITY SHOW 2005」日立ブースで見られたのは、認証の追求に加え映像と関連付けるという複合ソリューションだ。
3月4日(金)まで東京ビッグサイトで開催の「SECURITY SHOW 2005」(関連レポート)。日立製作所のブースでは、ユビキタス社会を見据えたIT特化の出展に加え、都市に根付くセキュリティの進化系を見せている。ブース内で見ることができたトピックを紹介しよう。
他社のブースでも同じような傾向だったが、ポイントとなったのは、監視を行うための機器としてカメラや記録機器(デジタルレコーダー)の性能アップだ。高感度と高フレームレートやプログレッシブサポート、そしてIT化が可能とする監視形態として、例えば静脈認証(後述)であれば物理的な認証手段で穴となってしまう面を映像記録し、補完を行うという「複合」ソリューションが目立った。
写真1の高感度レンズ採用カメラは、レンズのF値0.95という明るさを誇るもの。日立ハイセンスシリーズとして出展されており、写真1上にはないものの、下側には暗幕内に対象物の花が置かれていた。眼視では、個人差はあるものの実体をうっすらとしか確認ができない明るさだ。
カメラの高感度化以外にも、映像記録を行うメディア側、デジタルレコーダーにも進化がある。「DS-G350」として参考出展されたモデルは、高フレームレート、そして走査補完を行うプログレッシブ記録に対応する製品だ(写真3)。
これらを融合させたソリューションとして展示されていたのが「遠隔モニタリングシステム」。基本構成としては、カメラにパン、チルトやズーム(10倍)が可能な「NC-2-T」を、そして映像をMPEG-4でエンコードする4映像入力可能な双方向音声対応ネットワークビデオサーバと呼ぶ「MG-400K」を採用。これらを介してデジタルビデオレコーダーの「DS-F221」に記録するという構成だ。
このシステムのポイントはMPEG-4サポートであり、コーデック効果で比較的容量を抑えることができ、インターネットを介した遠隔地の監視と録画を可能としている点だ。また、記録画像は「MGNET」と呼ぶWindows 2000/XP向けのソフトを利用することで、カメラの向きを制御したり、最大で4台のカメラから集中管理する記録画像の検索を実現する。
ほかにも、関連記事の「日立、情報漏えい回避の切り札は「ディスクレス」で詳細レポートを行ったセキュリティPCの出展や、静脈認証を映像に絡めたソリューションもあった(詳細は別記事にて予定)。
ユビキタスによって、生活の場には今まで以上にITが入り込むことを許容することになる。プライバシー問題は課題としてあるものの、日立ブースで感じた進化系は、ITによる映像の取り扱いがセキュリティ向上のキーとなっていくようだ。
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