「SECURITY SHOW 2005」の日立ブースでは、ITと映像を駆使したユビキタス社会のセキュリティを、いくつも見ることができた。指静脈を用いた連動モニタリングシステムはその1つとなるソリューション。
3月4日まで東京ビッグサイトで開催されていた「SECURITY SHOW 2005」(関連レポート)。日立製作所のブースで出展されていた「指静脈認証装置連動モニタリングシステム」は、静脈認証と映像セキュリティを組み合わせたソリューションだ。
指静脈認証は、静脈パターンを人体に害が無いとされる近赤外線で撮影、画像処理を行って認証を行うもの。認証自体には、指紋や虹彩認証と異って皮膚内部の静脈パターンを使用するため、偽造が困難という特徴がある。
「指静脈認証装置連動モニタリングシステム」が特色とするのは、前述したように映像と組み合わせを行う点にあり、同社のほかのソリューションにもあるITを用いた複合的なセキュリティ形態となっている。日立ブース内でほかにも見られたものと共通性がある(関連記事)。
「指静脈認証装置連動モニタリングシステム」は、指静脈認証が開始されると、その時点から数十秒前のメモリバッファ映像をデジタルレコーダーへ記録し始める。このため、認証カードと映像の2通りで人物特定ができ、万が一、権限のない人物がすり抜けて入ろうとする場合には、録画を基に分析することが可能だという。なお、「SECURITY SHOW 2005」で出展されていたものは参考出展となっていたが、製品レベルではPC上に指静脈認証時のログ記録、そして記録映像の検索が可能になるとのことだ。
一方、「指静脈認証装置連動モニタリングシステム」はPCによってログや記録映像を検索することができるが、ブース内の別コーナーで出展されていた「セキュアベインアテスター」は、ドア施錠に特化されたPCを必要としないもの。認証と映像記録の仕組みは同じだが、映像検索はデジタルレコーダーから監視モニター上に表示するメニューで操作を行う。このソリューションでは、専用コントローラを採用しているため、PCを設置するスペースがない(必要がない)場でも導入が可能という。
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