ノートPCが盗難に遭っても情報を守る、NTT Comが秘密分散法を元に新技術

NTT Comは、重要なデータを複数に分割し、別々に保存することによって情報漏えいのリスクを減らす「セキュアドライブ」技術を開発した。

» 2005年04月15日 22時00分 公開
[ITmedia]

 NTTコミュニケーションズは4月15日、重要なデータを複数に分割し、別々に保存することによって情報漏えいのリスクを減らす「セキュアドライブ」技術を開発したことを明らかにした。5月中旬より、このテクノロジを用いたフィールドトライアルを開始する予定だ。

 個人情報/機密情報が流出してしまう経路の1つに、ノートパソコンの紛失や盗難がある。セキュアドライブはそういったリスクを減らすための技術だ。

 重要なデータを3つに分割し、PCの内蔵ハードディスク、持ち歩きが可能な外部ハードディスクドライブ、バックアップ用のデータセンターにそれぞれ分散させた形で保存する。元データを復元するには3つに分散したデータのうち2つを組み合わせる必要があり、仮にどれか1つが紛失したとしても、元データの復元、流出は困難だ。そうした場合には、残る2つのデータを元にデータの無効化および復旧処理が可能という。

 同社は、同じく秘密分散システムとUSBメモリを組み合わせて重要な情報を安全に持ち運べるようにする「セキュアUSBメモリサービス」を提供しているが、今回開発されたセキュアドライブは、これをWindowsのドライバレベルで実装した。真性乱数を用いた新しいアルゴリズムを開発することにより、大容量のファイルでも高速な処理が可能になっているといい、分散/復元処理にともなう動作遅延は10%程度にとどまるという。

 NTT Comでは5月中旬より、プライブ・シェルター、ミニストップ、東邦薬品、東邦システムサービス、NTTコムウェアなど6社の協力を得て、セキュアドライブのフィールド実験を開始。その結果を踏まえて事業化を図る方針だ。

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