SEに求められる経営的視点ITR 内山悟志の提言(2/3 ページ)

» 2005年05月16日 00時00分 公開
[内山悟志(ITR),ITmedia]

顧客ニーズに応えるだけでは足りない

 顧客のニーズに的確に応えることが良いSEの条件かもしれないが、ただ顧客の言うことを鵜呑みにして、言われるとおりのものを作るのでは、単なる下請け作業者に過ぎず、信頼されるパートナーにはなりえない。顧客企業の経営者と同じ目線で、そのシステムの必要性や価値を訴求することができるかどうかが、これからのSEにとって重要なスキルとなるであろう。

 また、アウトソーシングなどによりシステムの運用を請け負う場合や、ヘルプデスクなどのユーザー・サポートを請け負うといった場合であっても、顧客企業の事業や担当するシステムや目的や重要性などについて理解しておくことが求められる。

経営的視点を身につけるには

 経営者と同じ目線でものを考えるというのは、言うは安しだが、実際には簡単なことではないであろう。では、システム化の提案などの際に、SEはどのようなスタンスで臨めばよいのだろうか。一言で言うと、「顧客企業の先にあるもの」を考えることである。顧客企業の先にあるものとは、顧客企業の顧客(一般消費者の場合もあろうし、法人顧客の場合もある)、顧客企業が置かれている経営環境、顧客企業の競合企業などを指している。

 基幹業務システムの再構築であれ、顧客データベースの整備であれ、ネットワーク回線の増強であれ、情報システムへの投資は、何らかの経営課題と紐づいているはずである。そして、こうした経営課題は、顧客企業の顧客の多様化やニーズの変化、顧客が所属する業界の市場構造の変化、法規制(個人情報保護やコンプライアンス等)への対応など、外部環境をその背景として持っているはずである。

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