行けない人もこれで安心――LinuxWorldフォトリポート 最終回+おまけ(1/2 ページ)

LinuxWorldフォトリポートの最後は、Berry OS Japanのほか、.orgパビリオンなどを紹介する。記事の最後にはアレも……。

» 2005年06月06日 04時03分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 6月1日から3日間、東京ビッグサイトで開催されたLinuxWorldExpo/Tokyo 2005は盛況のうちに終了した。フォトリポートの最後は、これまで紹介できなかったBerry OS Japanのほか、.orgパビリオンなどを紹介しよう。

Berry OS Japan

 今回のLinuxWorldで最大の謎ともいえるBerry OS Japanは会場の中央付近にブースを構えていた。設立からまだ3カ月程度のこの会社がプラチナスポンサーとなっていることも驚きだが、本当のサプライズは同社がいきなりOSを2つも発表したことだった。

 同社のブースの大半は、「家電感覚のリビングPC」をコンセプトにした「Berry OS 2.0」の展示だった。同OSは、Windows XP Media Center Editionなどにコンセプト的には似たものだと言える。DVDの再生やTVの録画といったタスクをリモコンで行うことができるほか、さまざまな情報をいわゆる10feetGUIから呼び出すこともできるようだ。

Berry OS 2.0 Berry OS 2.0。写真中央がデスクトップ画面。Mac OS X風のドッグにはブラウザやメール、PowerDVD、MPlayerなどのアイコンが並ぶ。その中の1つ、「TV」のアイコンをクリックすると写真左の画面に。写真右は10feetGUIでさまざまな生活情報を取得する画面。いずれの操作もリモコンから操作できた

 同社は写真にある27インチのワイド液晶TV(リモコン含む)、プリインストールされた小型PCをセットにして18万円程度で間もなく販売する予定であるという。OSに搭載しているパッケージがアップデートされた場合の更新方法など、情報が不足している部分もあるが、新しいLinuxの使い方として注目したい1社ではある。

 昨今、セキュリティ強化の一環として、シン・クライアントに注目が集まっている(関連記事参照)。例えばNTTコムウェアはノベルと協力し、SUSE LINUXベースのUSBブート型ディストリビューションを利用したシン・クライアントソリューションをこの8月をめどに提供予定だが、Berry OS Japanの「BOICS」(Berry Office Intelligence Check System)と呼ばれるソリューションはいち早く6月から提供を予定している。

 このBOICSに利用されるのが同社の2つめのOS、「Berry OS Enterprise」である。前述のBerry OS 2.0とは異なり、搭載している(画面上にアイコンとして表示される)アプリケーションは、Mozilla(ブラウザ/メール)、OpenOffice.orgのみと至ってシンプルなクライアント環境となっている。日本語入力環境には、Berry OSの作者である中田裕一朗氏(同社CTO)が開発したWHIZが採用されている。

 BOICSでは、このBerry OS Enterpriseのほか、中小規模向けPBX、電話機内蔵のTAPIアダプタなどを組み合わせることで、社員の情報漏えいだけでなく、電話の通信内容まで記録することを狙いとしている。電話の通信の記録に関しては賛否両論あるかもしれないが、例えばコールセンターなどでは有効に機能し得るだろう。BOICSは、Berry OS Japanのほか、同社のパートナーであるシステムイオ、dept telecomなどによって提供される。

 Red Hatがディレクトリサーバ製品を発表したことを除けば、大きな話題に欠けた今回のLinuxWorldだったが、同社の存在は、実は今回一番の話題だったのかもしれない。

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