会場で見かけた携帯ソリューションInterop Tokyo 2005

ブースに置いてあるカタログを、携帯を利用して必要なものだけPDFで配布するサービス、702NKを使ったVPNソリューションなど、携帯を利用したソリューションを紹介しよう。

» 2005年06月10日 21時29分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 今年で12回目を迎えるネットワークコンピューティングイベント「Interop Tokyo 2005」。さまざまな展示の中から、会場で見かけた、携帯電話関連の展示を紹介する。

N900iLでモバイルセントレックス

 会場内の展示で最も多く見かけた携帯電話は「FOMA N900iL」。3Gネットワークと無線LANの両方に対応しており、会社の外ではFOMA端末、会社の中では無線IP電話として内線電話利用をしようという、モバイルセントレックス対応端末として展示されていた。

 当初、NTTドコモの「PASSAGE DUPLEX」は、NECの「UNIVERSE」システムにN900iLを組み合わせる形で提供が始まったが(参照記事12)、現在は2社以外の企業が小規模オフィス向けのパッケージを販売している。会場でも沖電気工業、富士通、日立グループ、NTTコミュニケーションズなどが展示を行っていた。

携帯を利用した電子カタログダウンロードサービス

 松下電器グループのブースで採用されている「電子カタログ収集ソリューション」は、会場では携帯を利用し、帰宅後はPCを使って、展示内容についての理解を深めることを目的とするものだ。

 来場者は携帯から空メールを送信。返信されてきたURLにアクセスするとQRコードが表示されるので、QRコードを保存し、携帯メールアドレスを登録しておく。

 ブースの入り口に、展示内容別のパネルとQRコードのリーダーが設置されているので、保存しておいたQRコードを表示させ、興味のある展示ジャンルのパネルの横にあるリーダーで読み取らせる。どこのジャンルをチェックしたかは、サーバに蓄積される。来場者は帰宅したあと、松下電器サイト“MY PAGE”のURLにアクセスし、携帯に届いたIDとパスワードを入力すると、チェックしたジャンルのカタログをPDFでダウンロードできる。松下電器グループのブースで用意されているカタログの種類は膨大な数だが、この仕組みであれば興味のあるジャンルだけに絞られてPDFが表示される、という仕組みだ。

 Interopではカタログ配布用サービスとして使っているが、今後はこのシステムをポイントラリーなどに使うシステム販売として販売することを考えているという。

ブースの内容をジャンル別に紹介するパネルとQRコードリーダー(左)、画面に表示されるQRコード(中)、興味があるジャンルのリーダーに読み取らせる(右)

ノキア、702NKを利用してVPNソリューションを展示

 ノキアブースで展示されていた「Nokia Mobile VPN Client」は、Symbian OSを搭載した同社の携帯電話から、VPNを使って社内イントラネットに安全にアクセスできる、というもの。ブースではVodafone 702NKを使って実演デモが行われた。海外では1年前から展開しており、VPNサーバと、設定済みの端末をセットで販売している。

 携帯にVPNクライアントをインストールしておくと、VPNゲートウェイを通って社内のサーバにアクセスできる。アクセスポイントでVPNクライアントを選択すると、VPNが張られた状態でメールの読み書きやWebブラウズができる。

 アクセスポイントを変更するだけで、通常利用しているメールソフトやWebブラウザをそのまま使えるので、ユーザーがVPNをほとんど意識せずに利用できる。サーバー管理者側から端末にアクセスして、自動でソフトウェアをアップデートすることも可能。

展示されていたVPNサーバと702NK(左)、一般アクセスポイントとVPN経由のアクセスで、受信フォルダを分けられる(右)


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