第15回 フリーツールで行うネットワーク脆弱性検査知ってるつもり?「セキュリティの常識」を再確認(1/6 ページ)

Webアプリケーションの検査に加えて、サーバやネットワークの検査も重要だ。改めてネットワーク脆弱性検査の重要性を認識するためにも、今回はフリーツールを使ったネットワーク脆弱性検査を紹介する。

» 2005年07月07日 10時00分 公開
[遠藤宣孝(三井物産セキュアディレクション),ITmedia]

 5月中旬に企業のWebサイトに不正侵入される被害が相次いだ。あなたの管理しているサーバでも同様の被害を受けるかもしれない。さらには機密情報の漏えいにもつながってしまう。そのためにも、前回説明したWebアプリケーションの検査に加えて、サーバやネットワークの検査も必要である。ネットワーク脆弱性検査については、昨今インターネット上や書籍などで解説されているが、今一度ネットワーク脆弱性検査の重要性を認識していただきたい。

 ネットワークデバイス/サーバの脆弱性を調査するには、次のような8つの作業を行う必要がある。

  1. ツールの準備
  2. ポートスキャン調査
  3. パケットフィルタリングの調査
  4. ネットワーク経路の調査
  5. サービスの調査
  6. パスワードの調査
  7. 脆弱性情報の収集
  8. 脆弱性情報の検証

 すべては説明しないが、今回は代表的なツールを紹介しながら「2.ポートスキャン調査」「5.サービスの調査」「7.脆弱性情報の収集」の3つに的を絞って解説する。

ポートスキャン

 攻撃者は、攻撃対象となるサーバを絞り込んだ後、最初にオープンポートの特定を行おうとするものである。TCPの場合であれば、基本的なポートスキャンの仕組みとしてスリーウェイハンドシェイクを利用する。まず、対象サーバへSYNフラグの立ったパケットを送り、対象サーバ側でオープンしていればSYN+ACKパケットを、クローズしていればRST+ACKパケットを返信する(図1)。

図1 図1

 UDPの場合であれば、UDPパケットを対象サーバに送信し、何も返信がなければオープン、「ICMP port unreachable」メッセージを返信してきた場合はクローズしていると判断する。しかしUDPの場合は、サーバ側でパケットフィルタリングや、外部ネットワークとサーバとの間にファイアウォールが設置されていたりするなど、ブロックされている可能性がある。そのため、パケットの返信がなくてもオープンポートとは限らないので注意が必要になる。この場合には、UDPサービススキャンを行いUDPのオープンポートの推測を行う(図2)。

図2 図2

 ポートスキャンの代表的なフリーツールとしては、「nmap」が挙げられるだろう。詳細な使用方法についてはマニュアルに譲るとして、次ページから基本的な使い方を説明したい。

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