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» 2005年07月15日 22時55分 UPDATE

ICU図書館、HDDレスPC導入で「い〜んです!」

国際基督教大学(ICU)図書館では、デルのHDDレスPCを導入して使い勝手の向上と情報漏えい対策の両立を実現した。それもコスト面での課題をクリアしてだ。

[大津心,@IT]

 デルは7月15日、導入事例の紹介を中心としたユーザーイベント「第2回 Dell Enterprise Showcase」を都内で開催。国際基督教大学(ICU)図書館における、ハードディスク(HDD)レスPC導入の事例が紹介された。

 講演を行ったのは、ICU 図書館パブリックサービスグループ長兼テクニカルサービスグループ長 畠山珠美氏と図書館テクニカルサービス 主査 黒澤公人氏。

畠山氏 ICU 図書館パブリックサービスグループ長兼テクニカルサービスグループ長 畠山珠美氏

 ICUは東京都三鷹市にキャンパスを構えており、学生数3193人と比較的人数の少ない大学だ。図書館の1日の入館数は約1347人で、学生の約半数が毎日図書館を利用しており、利用率は高いという。

 2000年には、新館となる「オスマー図書館」を新設。デスクトップPC122台、ノートPC50台を備えた。図書館内にPCを設置する理由を畠山氏は「図書館から持ち出せないモノは多い。新聞や新刊などだ。PCが図書館内にあることで、これらを閲覧しながらインターネットで検索なども可能になるため、学生には重宝がられている」と説明した。

 一方、図書館は1日1300人以上が出入りし、1日のログイン数が700を超えるなど、非常に人の出入りが激しい。このため、個人情報漏えいの防止対策が必須だったという。

 これを踏まえ、第1期の2000年〜2002年にはWindows 2000 Serverを採用し、環境変更を防ぐために各PCにはDisk-Keeperを導入した。しかし、PCの起動時間が約3分も掛かるほか、バージョンアップに労力が必要だったため、システムの変更に至ったという。

 2002年〜2005年3月の第2期では、Linux+VMware+Windowsを1台のマシンに同居させたシステムに変更。黒澤氏によると「これはまさに鉄壁のガード体制だった」という。第2期のシステムでは、セキュリティ面での不安は払しょくされたものの、新しい記憶媒体(Flash memoryなど)の動作が不安定だったことなど「鉄壁のガードすぎて、融通が効かない点もあった」(黒澤氏)。

 2005年3月には、オスマー図書館のリースが満了したことから、第1期と第2期の不満点を払しょくするための次期システムへの検討を開始。「PCの環境変更が容易」「個人情報が残らない」「ウイルス対策が万全」「純粋なWindows環境」「PCの起動時間の短縮化」の5点が検討ポイントに挙がった。

 これらを踏まえ、当初ICU内のSEなどからは一般的なシンクライアントを推奨する声が上がったという。しかし、シンクライアントは各PCが専用機で汎用性がないうえに高価であるため、予算オーバーした。そこで、デルのディスクレスシステムに出会ったという。

黒澤氏 ICU 図書館テクニカルサービス 主査 黒澤公人氏

 デルのディスクレスシステムは、汎用機をそのまま利用できるために予算面もクリアしたうえに、従来の問題点もすべてクリアした。これにより、管理サーバ2台、I/O(Input/Output)サーバ7台、クライアントPC156台のシステム構築を実施。クライアントPCは、通常のデスクトップPCやノートPCからハードディスクの電源を抜いただけの仕様であるため、汎用性が非常に高くなっているという。

 ディスクレスシステムでは、生徒は通常どおりログインすると、I/Oサーバから仮想的なハードディスクを割り当てられて利用する。反応速度も速いことから、利用者はディスクレスシステムであることに気が付かない場合もあるという。もちろん、通常のクライアントPCと同じ操作ができる。ログアウトすれば、使用したデータは消去されるので、個人の情報が漏えいする可能性は低いという。

 また、管理サーバやI/Oサーバの台数が少ないため、容易にアップデートやメンテナンスが可能になった。ICUでは図書館の実績を基に、全学的にディスクレスシステムの導入を今夏をめどに予定している。

 畠山氏は、「システム変更で最も重要だったのは、『いかに生産性を落とさないか』だった。いくらセキュリティが強化されても、生産性が落ちたのでは意味がない。従って、純粋なWindows環境が重要だった。ディスクレスシステムは、われわれの要求に最も合致していた」と語った。

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