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» 2005年07月20日 03時27分 UPDATE

OSC2005-Do レポート:オープンソース開発で得られる喜び「スゲェ感」

北海道クラーク会館で開催されたオープンソースカンファレンスでは、OpenOffice.org 2.0の講演を始めRuby開発者のまつもと氏、ほかにも「OSS技術者の育成とスキルセット」と題された講演が行われた。

[可知 豊,ITmedia]

 7月9日、札幌の北海道大学クラーク会館で、「オープン ソースカンファレンス2005 in Hokkaido」(通称、OSC2005-Do)が開催された(関連リンク)。このイベントは、オープンソースの最新情報の提供と、コミュニティー間のつながりを強化することを目的としており、16のオープンソースコミュニティーが参加し、約250人が来場した。

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OpenOffice.org 2.0のリリースはいつ?

 メイントラックは、北海道大学で情報科学研究科 教授の山本 強氏の開会宣言でスタートした。

 最初には、筆者による「OpenOffice.org2.0の全貌と可能性」というセミナーを行った(関連リンク)。バージョン2.0のリリースを控えているということもあり、注目を集めた(関連リンク)。ここでは、バージョン2.0の最新スナップショットをデモンストレーションすると共に、リリーススケジュールについて「個人的な予想だが、8〜9月になると予想している」と説明した。

Ruby開発者、オープンソース開発の喜びを語る

 ネットワーク応用通信研究所の特別研究員で、オブジェクト指向のスクリプト言語として人気の高いRubyの開発者であるまつもとゆきひろ氏は「オープンソース開発の喜び」と題するセミナーで、Rubyの開発過程で感じたオープンソース開発の喜びについて語った(関連リンク)。ここで、まつもと氏は、オープンソースとは何かということから説明を始めた。

 そして、自身のライセンスに関する失敗談として「RubyをGPLに独自条件を追加した形で公開したところ、その独自条件に関する問い合わせが多く、仕事が増えた。独自ライセンスを適用するのはおすすめしない」と話した。また、オープンソース開発の喜びとして、次の4つを挙げられた。

  • 難しい問題が次々降ってくる「知的な喜び」
  • 同じ興味を持つ人と情報交換できる「コミュニケーションの喜び」
  • 自分ってスゲェ感が味わえる(かも)という「充実の喜び」
  • 好きなことで生計が立てられる(かも)という「自己実現の喜び」
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オープンソース開発者をどう育成するか

 北海道大学で情報科学研究科 教授の大谷 真氏と三菱総合研究所の比屋根一雄氏は、「OSS技術者の育成とスキルセット」と題するセミナーを行った。

 比屋根氏は、OSS開発に必要なスキルについて、平成16年度に行なった経産省委託の調査結果と提案内容を説明した。大谷氏は、自身の研究室の学生に「オープンソース開発を始めてもらうという実験を行っている」ということで、その実験材料2名の活動内容を紹介した。

 続いて「オープンソース技術者育成に関するパネルディスカッション」が行われた。参加者は、前述の大谷、比屋根の両氏、シンクイットの荒谷浩二氏、ワイズノットの嵐 保憲氏の4名。モデレータは、日本SGIの高澤真治氏が務めた。ここでは、先ほどのセミナーを受けて、大学での技術者の育成と、社会人技術者の育成について議論された。

 大学での育成について、大谷氏は「学生にオープンソース開発を始めてもらうという実験を行って、一定の成果を出している。しかし、彼らは必ずしも特別ではない」と話した。比屋根氏は「OSSに関わっている人は、先輩や友達から誘われてというように、何かキッカケがあって参加している」と話した。荒谷氏は「オープンソースは敷居が高いと言われているが、そんなことはない。人間同士のつながりが重要だ」と述べた。

 社会人技術者の育成について、比屋根氏は「OSS技術者の求人はあるが2極化している。単にLAMPの設定ができるだけではなく、問題解決能力がある人が求められている。同時に、OSSの開発だけで食べていくのは非常に難しい」と述べた。ワイズノットの嵐氏は「当社では、やりたい人を集めて人を育てるところから始めている。この半年で社員を200人増やし、3カ月かけて研修を行っている」と話した。

 会場から「やりたい人とできる人がいる時、経営者として、やりたい人を育てるのは忍耐が必要となったり、研修コストがかかると思う。その判断はどのように捉えているのか?」という質問があった。

 嵐氏は「コストではなく投資だと考えている。優秀な技術者は不足しているし、1人の技術者にできることは限られている。オープンソースは、それを越える可能性がある。そのためには、できる技術者の側も意識を変える必要がある。」と述べた。

 最後に、モデレータの高澤氏は「北海道なので、こんな言葉を用意していました。」と"大志を抱け"というスライドを表示してパネルディスカッションを締めくくった。

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