「RSSの新名称は確定ではない」とMSエバンジェリスト

「RSSをWebフィードと呼ぶと確定したわけではなく」、反発するブログコミュニティーとコンセンサスに至るべく努力しているとMicrosoftの有名ブロガーは語る。(IDG)

» 2005年08月18日 17時15分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftの有名ブロガーが8月16日、Internet Explorer(IE)7でRSSに付けた新しい名称案を控えめに語った。RSSに新たな名前を付けることをめぐり、ブログコミュニティーで激しい議論が起きた数日後のことだ。

 Microsoftのテクニカルエバンジェリストで有名ブロガーのロバート・スコーブル氏は17日に取材の中で、IE7の正式版でRSSの名称を「Webフィード」にするかどうかは確定していないと語った。

 「Microsoftが(名称変更を)決定したとは言っていない。(Windows Vista)リリースまであと1年ある。コミュニティーと何らかのコンセンサスに至るべく、協力しようとしているところだ」(同氏)

 IE 7のβ版では、RSSフィードは「Webフィード」と呼ばれている。このことはMicrosoftのRSSプログラムマネジャー、ジェーン・キム氏がIEBlogで8月2日に明らかにした。

 これがMicrosoftウォッチャーのブログで議論を呼んだ。中には、Microsoftが独自のイメージでRSSを作り直そうとしているのではないかと懸念する人までいた。

 IE 7は、2006年末に出荷予定の次期版Windows(Windows Vista)に搭載される。Microsoftは、IE 7も含め、Windows Vista全体で幅広いRSSサポートを提供するとしている。

 スコーブル氏とMSN Spacesリードプログラムマネジャーのマイク・トーレス氏は自身のブログの中で、MicrosoftにはRSSを書き換える計画はないが、業界全般とWebユーザーに受け入れられるような名前をつけようとしていると述べている。

 トーレス氏は自身のブログ「Torres Talking」の中で、Mozilla FoudationのFirefoxブラウザがRSSフィードを「ライブブックマーク」と、Newsgator OnlineとBloglinesが「フィード」と呼んでいることを挙げ、RSSを「Webフィード」と呼ぶことにしたMicrosoftの選択を擁護した。同氏はこれを、業界全体がRSSの「ブランド」ではなく、RSS技術を使うことに興味を持っていることの表れかもしれないと述べた。

 それでもトーレス氏、スコーブル氏、RSS発明者のデイブ・ワイナー氏のブログに寄せられたコメントが、ブログコミュニティーにおいてMicrosoftのRSS計画をめぐる熱い議論に火を付けた。

 スコーブル氏は取材の中で、Microsoftはこれまでの「歴史」――周知の通り、その中には標準技術のプロプライエタリな実装を作ろうとしたことも含まれる――から、RSSにおいては慎重に「正しいこと」をしたいと考えていると語った。

 「わたしはそうした(これまでの)路線と戦っている」とスコーブル氏は16日、MicrosoftがRSSの製品への実装と名称を慎重に検討していることについて語った。「われわれは悪いことではなく、皆の意に沿うことをしようとしている」

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