新生Symantecからバックアップソフト最新2製品が登場(1/2 ページ)

新生Symantecは、バックアップソフトの新製品を発表した。「ディスクストレージのユーザーに最適化されたバックアップソリューションだ」と米Symantecのブルーム副会長兼社長。

» 2005年09月28日 23時24分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

 2004年末の突然の買収発表から約9カ月、米Symantecの米Veritas買収で誕生した新生Symantecから、バックアップソフトの新製品が米国時間9月26日に発表された。1つは、旧Veritasのフラッグシップで、Windows向けバックアップソフトではトップクラスのシェアを誇るBackupExecシリーズの最新版「BackupExec 10d」、そしてもう1つが旧Symantecのシステム・リカバリ製品の最新版「LiveState Recovery(LSR) 6.0」である。

 同社は、BackupExec 10dの特徴を「“Googleライク”に簡単操作でファイル復旧が可能な製品」と説明する。Webベースのユーザーインタフェースが用意され、ITの専門スタッフだけでなく、誰でも簡単にファイルの復旧作業が行える点が特徴だ。また、個々のファイルごとに履歴をとり、必要な段階までファイル1つ単位でリカバリを行える機能も備える。

ディスクストレージに最適化された「BackupExec 10d」

 「BackupExec 10dの特徴は“シンプルさ”“効率重視”というキーワードで表現できる。誰でも簡単に操作できるため、ITの専門スタッフがいない中小企業や遠隔拠点などでも迅速に問題に対処できる。またファイル単位で履歴管理を行えるため、ストレージ内の一片のデータ復旧のためだけにシステム全体をリカバリする必要もなく、非常に効率的だ」と、米Symantec副会長兼社長のゲイリー・ブルーム氏は説明する。

 ゲイリー・ブルーム氏 米Symantec副会長兼社長のゲイリー・ブルーム氏。合併前は、米VeritasのCEOを務めていた

 「BackupExec 10dは、ディスクストレージのユーザーに最適化されたバックアップソリューションだ。例えば、ビデオテープと最新のHDDレコーダを比較してみよう。テープは確かに便利だが、例えば10年前の番組を録画したテープを倉庫から掘り出して再生することは果たしてあるだろうか? 実際、そうした使い方をするユーザーは少ないだろう。(容量に限りはあるが)HDDレコーダの方がより使い勝手がよく、過去に記録した番組を簡単に効率よく再生できるだろう。これと同じことがコンピュータ業界でも起きている」(ブルーム氏)

システムを丸ごとイメージ化、完全に異なるシステムでも環境を再現する「LSR 6.0」

 BackupExecがファイル単位の細かいバックアップソリューションを提供するソフトウェアなら、一方のLSR 6.0は、システムを丸ごとイメージ化して、環境のコピーやシステム全体の復旧を迅速に行うための製品である。最近は日本の関東地方で地震が多発したり、米国南部ではハリケーン被害で街が壊滅する自然災害が発生しているが、こうした災害復旧(ディザスタリカバリ)に威力を発揮するのがLSR 6.0だ。Symantecはコンシューマ向けに「Norton Ghost」という製品を持っているが、現バージョンのGhostはLSRと同一の処理エンジンを用いている。

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