IBMがGrid and Growカンファレンスで「Grid and Grow」の最初のパートナーを発表した。Grid and Growは同社が8月のLinuxWorldで発表したグリッドのスターターパックだ。(IDG)
IBMは米国時間の10月4日、SAS InstituteおよびAbsoftが、「Grid and Grow」バンドルをサポートする最初のアプリケーションベンダーになったと発表した。同バンドルは、ソフトウェア、ハードウェア、およびサービスで構成される。
IBMは2カ月前にGrid and Growを初めて発表し、グリッドコンピューティングへの移行を望んでいる中規模企業および大企業向けのスターターパックとして位置付けた。同社は現在、ターゲットユーザーおよびベンダーサポートの両面で、この製品をさまざまな分野に拡張する可能性を探っている。
SASは、「SAS 9 Enterprise Intelligence Platform」アプリケーションに自動グリッド管理機能を追加し、IBMのGrid and Growバンドル上で動作できるようにした。一方Absoftは、自社の「High-Performance Computing Software Development Kit」(HPC SDK)をIBMのバンドルのハードウェア/サービスコンポーネントに連携するようにデザインした。
IBM、SAS、Absoftの3社は、10月6日までマサチューセッツ州ボストンで開催中の第1回「GridWorld」でこの発表を行った。
IBMは、8月にサンフランシスコで開催された「LinuxWorld」でGrid and Growを発表した。このときは、Intelおよびスケジューリングソフトウェアを販売する3社のミドルウェアベンダー(Altair Engineering、DataSynapse、Platform Computing)がサポートを表明している。
Grid and Growバンドルは、IBMの「eServer BladeCenter」ブレードをベースとする。同ブレードは、Intel、IBMまたはAMD(Advanced Micro Devices)のプロセッサ上で動作し、OSにはRed HatまたはNovellのLinux、MicrosoftのWindows、およびIBMの「AIX 5L」UNIXから選択できる。
IBMのグリッドコンピューティング担当副社長、ケン・キング氏によると、同社はGrid and Growプログラムを多方面に拡張する考えだという。
キング氏は10月4日、GridWorldでのインタビューで、「大企業だけでなくミッドマーケットにも売り込むつもりだ。われわれは、グリッドコンピューティングの導入に二の足を踏んでいる企業のために、Grid and Growエコシステムを構築しようとしている」と話した。
グリッドコンピューティングは、企業が異種OS間で、また地理的に離れたオフィス間でリソースおよびデータを共有することを可能にする。
キング氏によると、IBMは将来的に、システムインテグレーター、リセラーおよびISV(独立ソフトウェアベンダー)からもGrid and Growバンドルへのサポートを取り付ける考えだという。
さらにIBMは10月4日、「Ready for Grid Computing」プログラムも発表した。「これは、特定のアプリケーションがグリッドコンピューティングに最適化されているか認定するためのプログラムだ」とキング氏は説明する。IBMでは、Grid and Growエコシステムに適合するとみなされた製品を認定するための「IBM GRID Computing」ロゴも用意するつもりだという。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.