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» 2005年10月24日 07時39分 UPDATE

業種は違えど、ヒントを得られる:「独自製造ノウハウの積極Web公開」、新規顧客を増やすバネ製造会社 (1/3)

受注生産で高品質のバネを作り続けている東海バネ工業。早くから受注生産システムでIT化に取り組んできたが、いま再び発想を転換したIT活用で新規顧客を獲得し続けている。

[山路達也,SOFTBANK Creative]
会社データ
会社名東海バネ工業株式会社
所在地大阪市福島区鷺洲3丁目7-27
主な業務内容金属ばね製造
URLhttp://www.tokaibane.com/

 自動車、家電、医療器具、観測機器など、あらゆる分野で重要な役割を果たしているのがバネである。東海バネ工業は、70年以上も前から、高品質のバネを受注生産で作り続けてきた。中小企業のIT化が声高に叫ばれるはるか以前、25年前には注文から生産管理、出荷までを管理するシステムを既に完成している。その同社が、ITによって再び生まれ変わろうとしているのだ。

25年前に、オフコンによる生産管理システムを完成

 バネがどのように作られているかと尋ねられれば、多くの人は自動化された工場で大量生産されていると想像するのではないか。しかし、東海バネ工業は、70年前から多品種受注生産にこだわり続けてきた。現在も、5個以下の製品を年間3万件も受注し生産している。創業者である先代社長は、「価格競争はしない。言い値で買っていただける製品に特化する」をモットーとしていた。

東海バネ工業 東海バネ工業

 このビジネスモデルを実現するのは並大抵ではない。注文の多くは技術的な難度が高い。そして、突発的な需要に対応するための材料確保、問い合わせに対応する人員も必要だ。かつては、製作状況を尋ねる電話に対応するため、生産管理の担当者が工場中を駆け回らなくてはならなかった。

 これでは、あまりにも人件費がかかりすぎてしまう。そこで、25年前に、注文から出荷までを通して管理できるシステムを導入した。4度のバージョンアップを重ねたシステムは、現在でもまったく古びていない。

 注文を入力すれば、製造工程が自動的に設定され、作業計画書が作られる。製造部門では、ある工程が完了するとバーコードで入力するようになっており、どの商品がどの工程にあるのかも一目で分かる。

 同社が受ける注文の特徴は、「前回品」が多い点にある。「3年前に1度作ってもらったあのバネをもう1個」というように、以前と同じ注文が8割を占めるという。そこで同社のシステムでは、顧客の注文内容を細かな内容まで蓄積し、一度受けた注文は素早く生産できる態勢を確立した。

渡辺良機氏 東海バネ工業 代表取締役社長の渡辺良機氏

 「入社して1週間の新入社員でも、お客さまに適切な応対ができます。何年も前に作られのと同じ製品をきっちり納期にお届けすると、お客さまからわざわざお礼の電話をいただくこともあります。こんな商売はなかなかあるものではありませんね。コンピュータシステムには莫大な投資をしてきましたが、あまり計算的な投資とはいえず、顧客満足度の向上だけを考えてきました」(代表取締役社長 渡辺良機氏)

 25年前には、同社と同じように受注生産のメーカーは多数あったが、今では同社を含めてわずか3、4社になっているという。

守りのシステムから、攻めのシステムへの転換

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