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» 2005年11月15日 09時57分 UPDATE

Linux携帯の標準化目指す「LiPS」設立

LiPSの目標は、全メーカーのLinux携帯と互換性のあるアプリケーションを構築できるAPIを開発することだ。最初のLiPSデバイスは2007年に市場に登場する。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 11月14日、Linux Phone Standards(LiPS)Forumが設立された。携帯デバイスでのLinux採用を促進することを目的とした標準作りのための新たな取り組みだ。

 LiPS Forumの目的は、全メーカーのLinux携帯と互換性のあるアプリケーションを構築できるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を開発することだ。さらにこの団体は、基本的な携帯電話標準の策定に取り組む携帯業界団体Open Mobile Terminal Platform(OMTP)とも協力し、Linux携帯向けのアプリケーションが、SymbianやWindows MobileなどほかのOSを搭載した携帯電話用のアプリケーションと連係できるようにする。

 LiPSの創設メンバーは、PalmSource、France Telecom、Orange、TIM Italia、ARM Holdings、Jaluna、Open-Plug、Montavista Software。

 同団体は、基本的な携帯電話から高機能のスマートフォンにわたるデバイス向けの一連のプロファイルの一部としてAPIを公開する見込みだ。また、LiPS準拠デバイスを認定するためのテストプロセスも策定する。

 しかしLiPS Forumは国際標準化団体には参加しない。それは実践的な理由によるものだと同団体のリーダーらは説明している。「国際標準化団体でのプロセスには長い時間がかかる」とLiPS執行委員会の副会長で、携帯向け仮想化ソフトメーカーJalunaの共同創設者兼開発責任者マイケル・ジアン氏は語る。「われわれのスケジュールは非常にアグレッシブだ」

 低価格コンシューマー製品市場向けの最初のデバイスプロファイルは、2006年後半に登場し、最初のLiPSデバイスは2007年に市場に出回る見通しだ。

 LiPS Forumのリーダーらは、同団体はアプリケーション層を標準化しようとしているわけでないと強調する。「われわれは、アプリケーションそのものはほとんどのキャリアと端末メーカーにとって差別化の手段になると信じている」と同団体の会計担当で、PalmSourceのEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域担当マーケティングディレクターのジーン−マーク・ホルダー氏。APIを定義することで、キャリア各社がアプリケーションを投入する時に、それが自社のすべての携帯電話で一貫してサポートされるという確信を持てるようになると同氏は説明する。

 LiPSの初期メンバーに主要端末メーカーが含まれていないのが目に付くが、LiPS理事でPalmSource主任研究者のジョン・オストレム氏は、一部の端末メーカーが加盟に関心を持っているとほのめかした。しかし、これらメーカーはまだ社内で必要な承認を得ていないため、加盟を正式発表できないのだという。MotorolaはLinuxへのコミットメントを表明している主要メーカーの1社であり、既に中国でLinux携帯を多数販売している(7月27日の記事参照)

 LiPS Forumの前にも、モバイルLinux業界の振興を目的とした別の組織が立ち上げられている。Open Source Development Labs(OSDL)は10月半ばに、携帯デバイス向けにLinuxを最適化するための作業部会Mobile Linux Initiative(MLI)を設置した(10月18日の記事参照)。MLIはモバイルLinuxカーネル周りの開発を統一し、電源管理、起動時間、システムフットプリントなどの機能にフォーカスする。LiPSとMLIのリーダーらは、これら団体の取り組みは相補完するものであり、いずれも携帯デバイスでのLinux採用促進という同じ目標に寄与すると話している。

 携帯電話でのLinux採用というコンセプトに最近ようやく弾みがついてきた欧州では、キャリアからの関心が集まっているとLiPSのリーダーらは言う。「欧州でLinux携帯を牽引しているのは主にキャリアだ」とジアン氏。キャリアはNokiaなどの有名ブランドの携帯電話を売るばかりでなく、自社ブランド携帯電話を開発することに関心を持つようになっていると同氏は語る。これまでにもOrangeなどが自社ブランドの携帯電話を販売しているが、キャリアはそうした携帯電話の製造コストを引き下げて、ローエンド市場に投入することに関心を持っているという。「携帯電話の仕様と設計を提供して、中国に製造を委託できれば、もっとコストは安くなる」と同氏は語り、Linuxはそれを実現する上で役に立つと付け加えた。

 Linuxはオープンソースであるため、キャリアは携帯電話の開発をよりコントロールできることになる。「Linuxは、Microsoftなど1社の企業がコントロールできないプラットフォームだ。オープンソースなので、好きなように改変できる」とオストレム氏。

 Linux携帯への関心が最も強いのは中国だ。低コストというのが主な理由だが、中国政府がMicrosoftなどの企業に支配されていないソフトの採用を奨励しているということもあるとオストレム氏は言う。同氏は2月にPalmSourceに買収されたモバイルソフト企業China MobileSoftの創設者の1人だ。「中国においてはすべての主要端末メーカーとOEMがLinuxベースの携帯電話に目を向けている」

 米国のキャリアはモバイルLinuxを検討し始めたばかりだ。「多くのキャリアはまだLinux戦略を見出そうとしているところだ。欧州のキャリアからまだ少し遅れている」と同氏は話している。

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