IBMがジャストのxfyに注目、XML 2005でDB2 Viperとの連携をデモXML 2005 Conference Report(1/2 ページ)

DB2 Viperを披露したIBMがフロントエンドのクエリーツールとして着目したのが、ジャストシステムの「xfy」だ。アトランタの「XML 2005」カンファレンスでは両社による共同セッションが行われた。

» 2005年11月18日 08時51分 公開
[渡邉利和,ITmedia]

 ジョージア州アトランタで開催中の「XML 2005」カンファレンスで11月16日、午前の基調講演に続いて、ジャストシステムとIBMの共同セッションが行われた。ジャストシステムの製品紹介セッションにゲストとしてIBMが参加するというもので、テーマは「xfyDB2 Viperの連携」だ。現地入りしているジャストシステムの浮川和宣社長によると、この共同セッションはIBM側からの提案で実現したものだという。

 「従来、XMLアプリケーションと呼ばれていたものは、既存の構造の上にXMLデータに対応した変換機能を付けただけ。それに対してxfyはクリーンなXMLエンジンを核として、XMLデータを一切変換なしに利用できる。こうでないとXMLアプリケーションとは呼べない」と話すのは、ジャストシステムのパロアルトオフィスでCOO兼チーフサイエンティストを務める樋浦秀樹氏。

Sun Microsystemsで働いていた樋浦氏、開設したばかりのパロアルトオフィスに迎えられた

 いま企業のシステムは混沌としている。プログラミングモデルとしてはWebサービスが普及し、アーキテクチャー面では整理が進んでいるものの、実装面ではクライアントにWebブラウザを置き、表現力を補うためにJavaScriptその他のスクリプト言語で拡張している。アプリケーションのロジック本体はサーバ側に置かれるが、その記述言語はまちまちで、データベースとのやり取りにもさまざまな手法が混在し、データの加工を繰り返しながら何とか処理しているのが現状だ。

 一方、xfyのモデルは、クライアント側で動作するxfyがXMLデータをSOAPを使ってやり取りするというWebサービスのモデルを純化したような構造になっており、さらにデータベース側にDB2 ViperのようなXMLデータストアを据えれば、データベースからクライアントまでを単一のアーキテクチャーで接続できる。

 後述するが、xfyはアプリケーションロジックを記述/実行するアプリケーションプラットフォームとしての側面も持つため、現在のアプリケーションサーバを利用した複雑なミドルウェアスタックをxfyで置き換えてしまうことも不可能ではない。

xfyはクリーンなXMLエンジンを核としてXMLデータを一切変換なしに利用できる

 また、xfyの大きなポイントとなっているのが、サポートツールとして提供される「View Generator」と「View Designer」である。これがxfyに入ってくるXMLデータに対してフィルタ的に働き、xfyでのデータの閲覧をほぼ自動的に処理する。

xfyのサポートツール群

 xfy自体は、クリーンなXMLエンジンを核として、その周囲に個々のXMLボキャブラリをサポートするための「コンポーネント」をプラグインとして組み合わせて利用する。こうすることで、XMLデータに手を加えることなく、そのままの形での閲覧や編集が可能になる。

 DB2 Viperとの組み合わせでは、別途用意されるDB2 Viper用のインタフェース・プラグインを介して接続される。

DB2 Viperと連携するコンポーネント群

 DB2 Viperは、RDBとXMLデータストアのハイブリッドとなっており、RDBに格納されたデータをXMLにして返すことができる。つまり、DB2 Viperを利用していれば、xfyはあらゆるデータをXMLとしてやり取りできる。

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