RSS拡張でMSのレイ・オジーCTOが狙うものは?(1/2 ページ)

Lotus Notesの生みの親、レイ・オジー Microsoft CTOが、RSSの拡張仕様であるSSEについて自身のブログで書いている。SSEの狙いとは何だろうか?

» 2005年11月24日 00時05分 公開
[Lisa Vaas,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは、レイ・オジー氏が「同期化のためのRSS(Really Simple Syndication)」と呼ぶ、新たなRSS拡張に対する取り組みを進めている。互いに競い合う、ばらばらなカレンダー/コンタクトリスト管理ソフトウェアおよびサービスを同期化し、友人や家族、同僚などが互いのカレンダー/スケジュールを双方向で更新できる「メッシュ」モデルを構築しようというのだ。

 MicrosoftのCTO(最高技術責任者)であり、「Lotus Notes」の開発者でもあるオジー氏は、この新たな拡張が「SSE(Simple Sharing Extensions)」と呼ばれていることをブログで明らかにした。

 オジー氏のブログ記事によると、SSEはドラフト仕様の段階を終え、バージョン0.9に引き上げられているという。これは、同ソフトウェアのプロトタイプ製作に十分手間をかけたMicrosoftの自信の表れであり、また、RSSの生みの親、デイブ・ワイナー氏が同仕様の策定に貢献したおかげである、とオジー氏はブログの中で述べている。

 オジー氏はしかし、SSEは「決してバージョン1.0ではない」と釘を刺し、現時点で同仕様に基づいた製品レベルのコードを開発するのは時期尚早と警告した。

 Microsoftではさまざまなグループが「どういった教訓を得られるか見てみるため」に、また同仕様が目下の課題に対応できる堅牢性を備えていることを確認するために、試作品の開発に着手している。Microsoftは同仕様に対応する製品の名称や対応時期、あるいはその目的などについては発表していないが、「テストは繰り返し行われており、関係者は関心を深めている」とオジー氏は話す。

メッシュ化された世界

 同仕様開発の端緒は、オジー氏がMicrosoftで業務に就くようになったころに開かれた。オジー氏は着任早々、「Exchange」「Outlook」「MSN」「Windows Mobile」「Messenger」「Communicator」といった同社のコラボレーション製品の関係者を集め、「メッシュ化された世界」を構築しようと議論を始めたのである。

 「業界としてわれわれは、こうした『メッシュ』モデル向けのカレンダー/ディレクトリソフトウェアおよびサービスをデザインしてこなかった。われわれが構築するWebサイトやサービス、サーバはすべて、『オーナー』や『パブリッシャー』でありたいようだ。これは、電子メールを成功に導いたモデルや、緩やかに連携するウェブの性質とはかなりかけ離れている」(オジー氏)

 今日、共同作業をする必要のあるユーザーは、少なくとも限定的には互いのカレンダーおよびスケジュールを閲覧できなくてはならない。だが、本来機密性の高いカレンダー情報の一部を共有するのはたいへん困難なことなのだ、とオジー氏はブログに書いている。

 「われわれが取り扱うカレンダーの中でも最も対処に困るのが、例えばわたしと妻が一緒に管理しているものや、ボランティア団体のミーティング予定表といった外部組織と共同利用するものなどの、『共有化された』カレンダーだ」(オジー氏)

 オジー氏のブログには、会社のものとそうでないもの、Webベースのものとクライアントベースのものがごちゃ混ぜになった状態で、電子メールとカレンダーシステムが入り混じっているために、事態がより複雑になっていると記されている。一方、各ユーザーは、Webサイト上のカレンダーシステムの中ではなく、自分で選択したPIM(Personal Information Manager)アプリケーションを用いてカレンダーを編集したいと考えている。

 同様のことがコンタクトリストにも言えると、オジー氏は指摘する。同氏自身の時間管理状況を見てみると、関係している人たちはそれぞれ、私的なものや共有しているもの、さらには公共のものなど、複数のアドレスブックおよびコンタクトリストを管理しているという。

 「わたしは職場で、会社用の連絡先一覧とプライベートなコンタクトリストの両方を使っている。そればかりか、ほかにも2種類の全く異なるリストを妻と共有している。一つは配管業者や医者などをまとめた『わが家の住所録』で、もう一つが友人や親族を載せている『ファミリー住所録』だ。妻はさらにほかのコンタクトリストを、職場の人たちと私的に利用しているはずだ」(オジー氏)

       1|2 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ