マカフィー、ASP型ウイルス対策サービスのアンチスパイウェア機能を強化

マカフィーは、ASP形式のウイルス対策サービス「McAfee Managed VirusScan」の機能を強化し、スパイウェア対策機能を統合する。

» 2005年12月01日 21時16分 公開
[ITmedia]

 マカフィーは12月1日、ASP形式でウイルス対策機能を提供する「McAfee Managed VirusScan」の機能を強化し、スパイウェア対策テクノロジーを統合して提供することを発表した。

 McAfee Managed VirusScanは、インターネットを通じてASP形式で提供される中小企業向けのウイルス対策サービス。バッファオーバーフローの脆弱性そのものを保護する機能により、一般にシグネチャ更新が間に合わないような状況でも新種/亜種のウイルスをブロックできる。

 ウイルス対策ソフトと管理ツールを自ら導入して運用する場合とは異なり、マカフィー側が定義ファイルのアップデートやメンテナンスを行うため、少ない手間と負担でセキュリティ対策を導入できる点がメリットだ。設定変更や更新状況のレポートなどはWebから行える。また、同一セグメントの端末同士で更新ファイルを共有する仕組みを備えているため、帯域の節約にもつながる。

 マカフィーマーケティング本部の能地將博氏によると、「手間要らず」の点が受け、同社エンタープライズ製品の売り上げの3割以上をMcAfee Managed VirusScanが占めるにいたっているという。

 2006年1月10日より提供予定の「McAfee Managed VirusScan plus AntiSpyware」では、これらの機能に加え、文字通りスパイウェア対策機能が統合される。スパイウェアによる侵入をリアルタイムに検知する機能に加え、オンデマンドで端末をスキャンし、スパイウェアの有無を検査することも可能だ。

 McAfee Managed VirusScanでも200種類ほどの主だったスパイウェアを検出できたが、対応数も拡大し、約5000種類に対応する。「5000種類というと少なく聞こえるかもしれないが、実のところ、シグネチャの作りや亜種、マルウェアの分類によってカウント方法はまちまち」と能地氏は述べ、単純な数の大小だけで検出精度が決まるものではないとした。

 McAfee Managed VirusScan plus AntiSpywareの価格は従来と変わらず、26〜50ノードの場合、1ノード当たり8400円。同社ではサービス強化に当たって、他社製品からの乗り換えキャンペーンなどを展開し、2006年中に前年比28%以上の成長を見込む。

 米McAfeeの研究機関、AVERT Lab研究員の本城信輔氏は、「スパイウェアはいったん感染すると完全に駆除するのが大変。最初に入り込むのは1つでも、後からどんどん別のスパイウェアをシステムにインストールされてしまう」と指摘。また、rootkitを悪用したり、IEなど別のプロセスに自身のdllファイルを組み入れたりと「ユーザーに発見されにくくする機能が付いてきている」と述べ、スパイウェアの遮蔽機能が高度化している点にも警鐘を鳴らした。

 とはいえ、対策となると月並みなことに尽きるという。まず「疑わしいサイトへのアクセスに注意し、EULA(使用許諾契約書)やポップアップメッセージをよく読むこと。次に、依然として古い脆弱性を狙うスパイウェアが多いことから、脆弱性は必ず修正し、セキュリティ設定を強化しておくこと。そしてアンチスパイウェア製品を利用すること」(本城氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ