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» 2006年01月20日 08時30分 公開

構造改革としての2007年問題:レガシーシステムの呪縛 (1/3)

2007年問題は「COBOLからJavaへ」といった単純な図式では表せない。そういった問題ならこれまで何度も乗り越えてきたからだ。背景には情報サービス産業界の事情も見え隠れする。

[宍戸周夫,ITmedia]

 オンラインムック「構造改革としての2007年問題」

   宍戸周夫

 戦後日本のめざましい経済発展を担ってきたいわゆる団塊世代のビジネスマンが、西暦2007年をピークに一斉に定年退職を迎える。これによって、特に技能職の経験や知識、ノウハウが失われることが危惧されている。いわゆる2007年問題である。

日本経済が危ない?

 この2007年問題でことさら大きな打撃を受けるのは、こうした知識、ノウハウの継承が難しい中堅、中小企業だ。従業員500人以下の中堅企業、さらに300人以下の中小企業は全企業数の約90%を占めると言われており、この2007年問題によって日本の企業、ひいては、日本経済そのものが窮地に立たされると指摘する声もあるほどだ。

 これに対して、一部の企業では再雇用の動きを見せているが、それにも限界がある。再雇用で数年はしのげるかもしれないが、この団塊世代が永遠に働き続けることはもちろんできない。予想以上に進む人口減少、少子高齢化社会と相まって、この2007年問題は今後大きな社会問題に発展する可能性がある。

 実は、2007年問題を最も早く課題として挙げたのがIT業界だった。コンピュータ産業やソフトハウスなど、このIT業界はまさに戦後の「花形産業」として日本経済を牽引してきた。その産業を担ってきたシステムエンジニア(SE)も大量に現役を退く。団塊世代のSEが担ってきたのはメインフレームによるいわゆるレガシーシステムであり、多くはCOBOLでプログラムが書かれている。

 つまり、この2007年で、現在企業の中核を占めるミッションクリティカルな基幹業務システムを担うSEが消えてしまうというのだ。それが本当だとすれば、2007年問題は日本企業のコンピュータシステムの根幹を揺るがしかねない事態に発展する。

 かつて、ハードのクロックが1999年から2000年へと正常に切り替わらず、それがBIOSに影響を与え、OSからアプリケーションにまで影響を与えてしまうという2000年問題(Y2K)が大きな社会問題に発展した。2007年問題は、IT分野からまた1つ、社会に問題を提起することにもなっている。

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