PC内の個人情報を示して従業員の意識向上を支援、Klabセキュリティの検索ツール

Klabセキュリティは、PC内に存在する個人情報を洗い出してレポートする検索ツールの新バージョン「P-Pointer 3.0」を発表した。

» 2006年02月02日 19時18分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 Klabセキュリティは2月2日、PC内にどんな個人情報が存在するかを洗い出してレポートする棚卸ツールの新バージョン「P-Pointer 3.0」を発表した。

 P-Pointerは、同社が独自に開発した、個人情報の検索に特化したスキャンツールだ。個人情報保護法の全面施行を踏まえ、企業としてのセキュリティポリシーや対策を定める前提として、どこにどのような個人情報が存在するかを洗い出し、現状把握を支援する。

 実行すると、クライアントPC内のさまざまなファイルの中から氏名や住所、メールアドレス、電話番号など、個人情報と思しきデータが含まれているファイルを抽出し、レポートとしてまとめる。ユーザーが独自に辞書を定義し、クレジットカード番号やIDといった情報を検索することも可能だ。

 検出可能なファイルはテキストファイルやCSVファイルのほか、Microsoft Office文書やPDF、ジャストシステムの一太郎、名刺管理ファイルなど。圧縮ファイルや電子メールの添付ファイルに対する検索も可能だ。

 新バージョンでは、特に使い勝手の面で改善が図られた。これまで、スキャンを行うには各クライアントにソフトウェアをインストールする必要があったが、バージョン3.0ではサーバ側に監査ツール本体を配置し、ネットワーク越しに実行できるようになった。

P-Pointer 3.0のインタフェース P-Pointer 3.0のインタフェース。検索終了までの残り時間などが表示される

 また、ユーザーインタフェースにも改良が施され、検索終了までの所要時間が表示されるようになったほか、検索の「一時停止」が可能になった。さらに、監査結果をクライアント上でリアルタイムに表示する機能が加わっており、「ユーザー自身の意識向上を促す」とKlabセキュリティの営業本部SE部エキスパート、松岡利英氏は述べる。

 「個人情報保護法対応において管理者が何に頭を悩ませているかというと、エンドユーザーがなかなか協力してくれず、ポリシーが遵守されないこと。P-Pointerを用いて個人情報がどのくらい含まれているかを示すことにより、ユーザー各々の意識向上が期待できる」(松岡氏)

P-Pointer 3.0の結果 クライアント上でリアルタイムに検索結果を示すことで、ユーザーの意識向上を促す

 日々の業務に伴って管理すべき個人情報も変動するが、定期的にチェックを行うことで「万一盗難や紛失に遭ったとしても、何が流出したのかすら把握できないような事態を防ぐ」(同氏)という。

 P-Pointer 3.0の対応プラットフォームは、クライアント、管理コンソールともにWindows 2000/XP、Windows Server 2003で、監査情報収集サーバはWindowでファイル共有が可能なファイルサーバ上で動作する。ライセンス価格は従来バージョンと変わらず、管理サーバが31万5000エン、クライアントライセンスは10ユーザーで年額10万5000円。

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