アセロスがIEEE 802.11n準拠のチップセットをリリース、搭載製品は第2四半期中に

アセロス・コミュニケーションズは、高速無線LAN規格IEEE 802.11nに準拠したチップセットの国内でのサンプル出荷を2月16日より開始した。チップを搭載する製品は今年の第2四半期中に登場する見込みだという。

» 2006年02月16日 19時03分 公開
[ITmedia]

 アセロス・コミュニケーションズは2月16日、次世代の高速無線LAN規格IEEE 802.11nのドラフト仕様に準拠したチップセット「AR5008」の国内でのサンプル出荷を開始した。

 AR5008は、同社のIEEE 802.11n向けソリューション「XSPAN」に基づく製品群である。XSPANを採用する製品は、2006年第2四半期中に出荷される見込みだ。IEEE802.11a、11b、11gとの相互接続性の維持、複数のアンテナで空間多重を行うMIMO(Multi-Input Multi-Output)による高速伝送、といったIEEE 802.11nの仕様に準拠しながら、既存規格の約6倍に当たる150〜180Mbpsの実効速度(物理速度300Mbps)を実現する。

 AR5008は、3つの無線機能を1つのチップに集積した「AR2133(2.4GHz)」「AR5133(2.4/5GHzデュアルバンド)」と、ベースバンドとMAC機能を集積した「AR5416(PCI)」「AR5418(PCI Express)」をそれぞれ組み合わせた2チップから成る。無線機能では、それぞれで3つのアンテナを持ち、データを2重に送信するため、複数のアンテナをスイッチする従来のMIMOシステムと比べて安定性が増した。同社によると、アクセスポイントから離れた場所での伝送速度が平均50%向上するという。併せて同社は、無線アクセスポイントやルータ、PCカードなどについて、AR5008向けのリファレンスデザインも提供する。

 IEEE 802.11nは2006年1月にドラフトが策定されたばかり。アセロスでは、IEEE 802.11nの標準化過程において、有力規格の1つであるTGnSync方式を先導する企業としてデュアルバンド、MIMOといった要素技術をいち早く製品に導入するなどの実績を持つ。

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