GPLv3――FSFとトーバルズ氏の間の溝

トーバルズ氏が自分のコードのライセンスに求めることと、FSFの次のGPLの方向性の間にある溝はそう簡単に埋まりそうもない。

» 2006年02月17日 16時02分 公開
[Joe-Barr,japan.linux.com]

 ギャビン・クラーク氏はThe Registerで、火曜日にサンフランシスコで開かれたOpen Source Business Conference(OSBC)の報告として、リーナス・トーバルズ氏はGNUパブリックライセンス(GPL)バージョン3の草案を「読み違えていた」と伝えた。

 NewsForgeの先月の記事でも報じたとおり、トーバルズ氏はGPLv3の反DRM要件が気に入らないのでLinuxの移行はないと述べており、次のように言っている。「例えば、非公開署名鍵を公開してくれと要求するのは正気とは思えない。私だったらそんなことはしたくない。だから、個人的に自分のコードを切り替えたくないので、カーネルをGPLv3に切り替えることはないと思う」

 The Registerによると、Free Software Foundation(FSF)の代理団体Software Freedom Law Centerのリチャード・Richard フォンターナ氏は、「リーナス・ トーバルズ氏は読み違えています……。私たちが要求するのは、ソフトウェアの実行に必要なコードの開示です」と話したという。

 この点が明らかになったことを踏まえ、今日、トーバルズ氏に次のように質問した。「開示要件の対象がコードの実行に必要な鍵のみだということが明確にされるなら、GPLv3に対する見方は変わりますか」

 トーバルズ氏の回答は以下のとおり。

いいえ。私はGPLv3の要件を十分理解しています。私が誤解しているとFSFが言っているのなら、彼らの頭がおかしいのです。

彼らが目指していることは私の考えと異なっています。私は、インストールや実行に必要な鍵についてはまったく問題ないと考えています。ソースコードは関係ないはずです。

 GPLv3がいつどのような状況で非公開鍵の公開を要求するかが明確になるのは良いことに違いないが、トーバルズ氏が自分のコードのライセンスに求めることと、FSFの次のGPLの方向性の間にある溝は、それでも埋まらなかった。

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