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» 2006年02月20日 16時49分 UPDATE

コンタクトセンターが企業の顔になる:もう「コストセンター」とは言わせない! (1/2)

経営者から「コストセンター」と皮肉を言われることもあるコンタクトセンターだが、“CC”の優等生いわれるNECフィールディングのように、「そこまでやるか」というほどの仕掛けを実装し、成功につなげている企業もある。

[土屋晴仁,ITmedia]

 オンラインムック「コンタクトセンターが企業の顔になる」1回目2回目3回目に続き、コンタクトセンターの在り方を探る。

土屋晴仁(編集者/ジャーナリスト)

 商品を売るときに、なるべくコストを下げて利益を大きくしたいと思うのは経営者として当然だ。そのため、同じコンタクトセンター(CC)でも、通販の受注業務や有償サービスの業務ならばコールが増えても歓迎される。

 だが、クレーム対応やフォローアップサービスなど、直接の利益につながらない業務を担当するCCの場合は、運営、維持に掛かる費用が丸々コストになってしまう。そういうCCを持つ企業の経営者ならば、できるだけコストを掛けずに運営したいと考え、「できるだけ好印象を顧客に与える対応で、かつ、少ない人数で効率良く対応してほしい」と、欲張ってしまっても無理はない。

CC運営コストの73%が人件費

 環境対策や個人情報管理、ITのシステム装備などと並んで、「CCはコストセンター」と考える経営者は多い。そう思われるCC担当者は気の毒で、特に営業部門などの所管になっている場合のプレッシャーは大きい。「何とかして、コストセンターからプロフィットセンターにしたい」と切望する関係者が多いのだ。

 CCの運営コストに関する調査結果がある。これによると、コストの73%が人件費、次いで10%がシステムのメンテナンスおよび導入費、9%が通信費、残り8%がそのほかとなっている。つまり、圧倒的に人件費が占める割合が大きいのである。

 実はこの回答と、「運営上の課題」について聞いた回答結果とは関連しており、エージェント(オペレーター)にかかわる課題として、「SV(スーパーバイザー)の採用、育成」(42.7%)、「エージェントの採用・育成」(41.3%)、「呼量に応じたエージェントの適正配置」(28.0%)、「エージェントの定着率アップ」(17.3%)などを挙げる企業が多い。

 もっとも、運営上の課題に関する問いに対する回答全体では、「品質向上」(56.0%)、や「生産性の向上」(37.3%)といったやや抽象的な回答が上位にきている(リックテレコム刊「コールセンター白書2005」)。

 これらの結果をまとめると、企業側のこんな本音が見えてこないだろうか?

 「圧倒的なコスト比率を占めるのが人件費だが、問題は人材の質だ。同じコストを掛けるなら能力の高いスタッフにお金を支払いたい。それには優れたスーパーバイザーを確保して、その管理下にあるオペレーターも育てること。そして、全体の生産性を上げ、顧客満足度も併せて向上できれば、少しは“元が取れる”だろう」

「そこまでやるか!」と言われるくらいの努力が必要

 とはいうもの、こうした思惑通りに事が進むと思うのは虫が良過ぎる。「優れたSVを確保する」ことも「オペレーターを育てる」ことも簡単ではない。優秀な人材ほど“売り手市場”だといわれている。

 それに、「処理効率も対応品質も上げろ」という掛け声だけで上がるものではない。それにはやはり、作業標準を定め、マニュアルやスクリプト(応対シナリオ)を整備し、システム面でも改善し続ける不断の努力が必要になるだろう。脱コストセンター化のために、どこまでの努力が必要なのだろう?

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