特集
» 2006年02月28日 13時19分 UPDATE

コラボレーションプラットフォームの今:イントラブログはイントラネット2.0へと続く (1/3)

社内での情報共有ツールとして、ブログの利用に注目が集まっている。「ビジネスブログ」や「イントラブログ」と呼ばれるこうした利用法の新たな展開とその延長線上にあるものを見ていこう。

[小川 浩,ITmedia]

社内ブログの普及期を予見させるドリコムの上場

 グループウェアは企業規模の大小にかかわらず、先進的なITリテラシーを持つ企業にはほぼ行き渡ったが、それでもいまだに社内情報共有が十分に進められていないと感じる企業は多い。そんな中、グループウェアを補完する、新たなツールとしての社内ブログに対する期待は日増しに大きくなっているようだ。

 2006年2月9日にドリコムがマザーズに上場したが、これはビジネスブログを考える上でエポックメーキングな出来事であるといっていい。ドリコムはその事業ドメインにブログを据えたベンチャーとして初めてIPO(新規株式公開)を果たした企業となった。しかも、一般的に同社はB2C型のブログサービスで知られるものの、実は企業向けの社内ブログ(ドリコムブログオフィス)提供による収益を事業基盤としているのである。ドリコムブログオフィスはASPタイプとサーバインストール型の2つがあるが、毎月100社近い新規オーダーがあるとのことである。もちろんドリコム1社をもって、企業の社内ブログが一般化したと断じることはできないが、普及に弾みがついてきたことは明らかだろう。

イントラブログとは

 ビジネス用途にブログを用いる、あるいはそのブログそのものを「ビジネスブログ」と称するようになっている。また、筆者が2004年6月ごろからオフィシャルに使い始めた造語「イントラブログ」も、社内ブログ、もしくは社員ブログという意味であれば、それなりの普及を見せている。もともとの筆者のコンセプトでは、イントラブログとは、社内LANをブログやRSS/Atom Feed(以下Feed)によって活性化する、セマンティックなイントラネットであり、社内ブログそのものを指すわけではないのだが、最近では用語そのものが一人歩きして、「社内ブログ=イントラブログ」という定義が認知されつつある。従って、筆者も数カ月前から、社内ブログ=イントラブログと据えた上で、ブログやFeedによって活性化されたセマンティックなイントラネット=イントラネット2.0と呼ぶことにしている。この意味で、イントラブログという流れは、イントラネット2.0に至るまでの過渡的なものであると筆者は考えている。イントラブログは今後どのように用いられるべきか、そしてイントラネット2.0というコンセプトにどのように繋がっていくかを、以下考察したい。

社外向けブログと社内向けブログ

 ビジネスブログは、社外向けのマーケティング用と、社内用の「イントラブログ」に大別できる。

  1. 社外向けブログ 広報用や商品紹介サイトの構築をブログによって行うケース
  2. 社内向けブログ(イントラブログ) イントラネット内で、ナレッジマネジメントツールとして活用するケース

 この辺りの区別の詳細については拙書「ビジネスブログブック」(1-3巻:毎日コミュニケーションズ刊)を参照いただきたいが、社外向けのブログはCMS(コンテンツマネジメントシステム=Webサイトのコンテンツ編集、更新を行うツール)としての利用となり、通常のWebサイトのサブセットとしての活用はすでに一般化している。

 対してイントラブログは、現時点ではその存在をどう受け止めるべきか、導入を検討する企業側に迷いがあり、前述のドリコムのIPOに見られるように普及期に入りつつあるものの、需要が爆発するまでにまだ多少の時間を必要とするようだ。

 その理由は、イントラブログが企業内の情報共有を活性化するものであることは明確であり、メールやグループウェアを補うコミュニケーションツールであることも理解され始めているが、どのように使い分けをするべきかという指針が明示されていないからである。イントラブログがグループウェアと並存すべきシステムだとして、どのような方法でそれを実現するべきなのかがはっきりしない。つまり現時点では、イントラブログとはグループウェアとは異なり、単独の社内システムになっておらず、いわば「ソリューション」として導入にそれなりのコンサルティングが必要になっているのである。

 これはある意味ベンダー側の責任であろう。社内における情報共有ツールとして、イントラブログをどのような位置づけとするか、明確なポジションを提示し、啓蒙活動を行うことはベンダーの義務である。

 筆者自身は、イントラブログとグループウェアは共存するべきと考えている。スケジュールの共有やワークフロー、施設予約といった社内システムは従前通りグループウェアが担うべきであるし、業務上の通達などをスムーズに行うためには社内掲示板もこれまで通り残した方がいい。

イントラブログの役割

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