日本SGI、フジテレビのデジタルアーカイブシステムをコンサルティング

日本SGIは、映像コンテンツのフルデジタル化に向けてフジテレビが運用を開始したデジタルアーカイブシステムの構築において、コンサルティングサービスを提供したことを明らかにした。

» 2006年04月06日 03時10分 公開
[ITmedia]

 日本SGIは4月5日、フジテレビジョン(フジテレビ)が運用を開始したデジタルアーカイブシステムの構築において、コンサルティングサービスを提供したことを明らかにした。コンサルティングの範囲は、放送番組などの映像コンテンツをアーカイブし、有効活用するためのアーキテクチャーデザインや将来の展望までをカバーする包括的なもの。

 フジテレビでは2001年から「デジタルアーカイブプロジェクト」を立ち上げ、番組素材の管理やその2次利用を検討していたが、国内だけでなく欧米の放送局におけるデジタルアーカイブ構築の多数の実績を多数有する日本SGIがコンサルティングを行った。

 同プロジェクトのシステムにおいて日本SGIは、映像コンテンツのフルデジタル化に向けた第一弾として、撮影・放送した映像コンテンツをデジタル化して保存し、2次利用を促進するための映像素材共有基盤の構築を担当しており、全体統括はNECが、MPEG応用技術はアイ・ビー・イーが担当している。

 構築された映像素材共有基盤には、独自の高速ファイル共有システム「SGI InfiniteStorage CXFS」のほか、階層的なストレージ管理ソフトウェア「SGI DMF(Data Migration Facility)」が採用されている。また、映像素材をアーカイブするファイル形式には、国際標準規格であるMXF(Material eXchange Format)が採用されているが、MXFフォーマットの映像ファイル出力を行うビデオサーバを中核として位置づけ、ノンリニア編集装置や外部の大規模ストレージシステムとの高速転送を可能にするとともに、多種多様なVTRフォーマットの格納も実現している。

 また、フジテレビは、デジタルアーカイブ構想の一環として、同システムと連携する社内の番組・放送関連システムと連動したメタ情報管理システムを併せて開発しており、同システムとの連携による作業効率の向上を図っている。

 日本SGIは、日本放送協会(NHK)や日本テレビ放送網のデジタルアーカイブシステムの構築などの実績を持つほか、米Silicon Graphicsでは、Danish BroadcastingやFrance Televisions Publiciteなど欧州各国の主要放送局におけるフルデジタル化を始め、世界中で多くのデジタル放送システムを構築した実績を持つ。

 同社は先日、国内および海外市場を含めた放送・メディア業界向けの事業戦略の強化に関し、ソニーと戦略的提携を締結している(関連記事参照)。日本が先行するHD対応と欧米が先行するフルデジタル化の取り組みを融合させ、国内外の放送局のデジタル化に向けたビジネスを積極的に展開していく考えだ。

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