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» 2006年04月13日 10時41分 UPDATE

Interview:「ストレージは完全に管理できるコモディティに」HPのストレージ管理担当CTO

ストレージ管理の複雑化は企業のITインフラにおける課題の1つだ。ストレージ管理ソフト企業AppIQを創設し、現在はHPに加わったアシュトシュ氏に話を聞いた。

[聞き手:堀哲也,ITmedia]

 ストレージ管理の複雑化は企業のITインフラにおける課題の1つだ。米Hewlett-Packard(HP)は2005年10月にストレージ管理技術を手掛ける米AppIQを買収した。これと合わせてAppIQの設立者アッシュ・アシュトシュ氏は、HPのStorageWorksディビジョンでストレージ管理ソフトウェア部門のCTOとして合流している。

 米サンディエゴで開催された「Storage Networking World」で、ストレージ管理の簡素化で長い経験を持つアシュトシュ氏に話を聞いた。同氏は、ストレージ管理の標準化が管理を簡素化すると話す。

アッシュ・アシュトシュ氏 AppIQのファウンダーで現在は米HPのStorageWorksディビジョンでストレージ管理ソフトウェア部門CTOを務めるアシュトシュ氏

ITmedia ITインフラの中でもストレージ管理の簡素化は、大きなテーマの1つとして注目されています。AppIQを設立するなどストレージ管理の分野に詳しいアシュトシュさんは、複雑化をもたらした原因をどのように分析していますか?

アシュトシュ 企業の環境を家庭の環境に当てはめると分かりやすいでしょう。例えば、わたしの自宅のPCには、写真は、音楽、電子メールといった多くのデータが保存されています。場合によっては、別のPCにも保存されているかも知れません。するとPC同士でデータを同期するソフトウェアを探そうとするでしょう。多くても4台〜5台ほどしかない家の中の環境ですら、情報の管理という問題が出てきています。

 これがビジネスの環境となれば、比較にならないほどのストレージのキャパシティとデバイスの数になります。基本的にこれらのデータは、保護したり、最適化するなどの管理を行わなければなりません。このように多くのデータが分散してさまざまなところに保存されているということが複雑化を生む始まりでした。

 また、企業はITインフラのコンポーネントをHPから購入したり、別のサプライヤから購入したりと、さまざまに導入してきました。各ベンダーはそれぞれにR&D(研究開発)に予算を投じ、性能を向上させたり、機能の差別化に取り組んできました。その結果、それぞれに管理機能が提供されてきたのです。

 これらはインフラ管理の問題と密接に関係しているのですが、多くのインフラを構成するコンポーネントの中でも、ストレージの管理の標準化というのは最もチャレンジングな分野と言えます。さまざまベンダーからデバイスが提供されていますし、ファイバチャネルやインフィニバンド、iSCSI、プロプライエタリなものまでサポートする必要があります。また、バックアップや、スナップショット、マルチサイトのレプリケーションなど、その機能も多様です。

 話は広範になりましたが、ストレージの世界においては、多くの原因が管理の複雑化をもたらしてきたというのが現状です。

ITmedia データの増加は明らかな傾向で、複雑化は企業もベンダーも予想できたのではないかと思います。大きな課題となる前に何もできなかったのでしょうか?

アシュトシュ 過去7、8年、データは爆発的に増えてきました。この間に、データや情報を管理するツールがさまざまに登場してきましたが、標準やスタンダード化されたツールはまったく必要とされてきませんでした。

 その後、ストレージの管理機能が十分なものになってくると、「もうボックス新しいに機能はいらない。R&D予算を少しでも現在の問題を解決できることに利用したい」と考えるようになり、ベンダーは管理の標準化へ向かい始めました。また、顧客も多くの機能を管理できる能力を求めており、テクノロジーのバリューポジションに変化が起こってきたのです。ただ依然として、バックアップウィンドウの問題は残っていますし、新たにコンプライアンスなどの課題が登場してもいます。

 しかしながら、今後、ストレージは完全に管理できるコモディティとなっていくのがテクノロジーとしてのトレンドです。決して複雑な機能の道を進むことはないでしょう。

ITmedia そのような流れでHPはどのような役割を果たしていくのでしょうか?

アシュトシュ HPはテクノロジーのリーダーとしてさまざまな分野で標準化を推進しています。ストレージおいては、ネットワークストレージの普及や標準化を行う業界団体SNIA(Storage Networking Industry Association)や、ストレージ管理の分野に多くの投資を行っています。ストレージのユーティリティーサービスの提供も助けていきます。これらを推進していくには、多くの業界の顧客と話し合い、ビジネスを理解して行っていくというのが基本的な姿勢となります。

ITmedia このようなストレージ管理のトレンドと、ストレージベンダーがしきりに唱えている情報ライフサイクル管理(ILM)は関係していますか?

アシュトシュ 情報は生成されると、保護を必要とします。そして、膨大に生成された情報を最適化しなければなりません。この保護と最適化の部分を改めてILMと呼んでいるのです。これは初めにお話ししたデータの管理の基本です。そういう意味で、ストレージ管理の進化形がILMだと言えます。ILMは、情報は時間によって価値が変わってくるという考え方が基づいています。

 自社のことをストレージ管理企業とよんだり、ILMカンパニーと呼んだりと企業にはさまざまありますが、それらは保護と最適化のことを意味しています。インフラの管理のないILMなどは存在し得ません。なぜなら、あるファイルがあって、それをILMによって別のストレージに移すといっても、ストレージのデバイスをソフトウェアが見つけられなければそれができないのです。ILMはストレージデバイスやさまざまなインフラ管理機能のビルディングブロックを基盤にして構成されるのです。

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