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» 2006年04月25日 07時00分 UPDATE

グラフィックス基盤戦略を大幅転換、WPF/EはAdobeを振り払えるか? (1/3)

Microsoftのクロスプラットフォームグラフィックスフレームワークの「WPF/E」の開発計画が変更された。C#やVBを使用して、Windows以外のプラットフォームにも対応するデスクトップおよびWebアプリケーションを作成できるようになる見通しだ。開発ツール市場への進出を図るAdobeの脅威を払拭できるか?

[Greg DeMichillie,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 2005年9月に発表されたWindows Presentation Foundation(WPF)のクロスプラットフォームバージョン「WPF/E」(“E”は“Everywhere”を表す)の開発計画が変更され、WPF/EはVisual Basic(VB)およびC#プログラミング言語をサポートし、スタンドアロンアプリケーションとブラウザアプリケーションの両方の開発を実現する見通しとなった。この抜本的な変更で、従来の企業開発者に対するWPF/Eの訴求力が高まり、Visual StudioなどのツールでWPF/Eをサポートしやすくなるだろう。また、FlashとFlexを携えて企業開発市場への進出を図っているAdobeの攻撃をかわすうえでも、有効な手段となり得る。

WPFと比べ幅広い種類のOSとブラウザに対応

 WPFは、Windows Vistaに搭載予定の.NET Frameworkベースの新しいグラフィックスエンジンおよびAPIで、Windows XPおよびWindows Server 2003向けにもアドオンの提供が予定されている。WPFは、マルチメディアやアニメーション、ビデオ、テキストを含め、高度なグラフィックスを提供するアプリケーションを構築するためのプラットフォームとなる。

 WPFの核となるのは、XAMLと呼ばれる、アプリケーションのユーザーインタフェース(UI)を記述するためのXMLフォーマットだ。XAMLを利用するとグラフィックやUI要素をXMLで記述でき、2Dや3Dグラフィック、ビデオクリップのほか、ボタンやリストボックスのような従来のUI要素もXMLで表現できる。高度なUIを作成する場合は、プログラマーとグラフィックアーティストが共同で作業に当たることが多い。MicrosoftはXAMLを提供することで、グラフィックアーティストのUIデザイン作業を簡素化し、でき上がったXAMLデータをプログラマーに渡すだけで、適切なコードをプログラマーが実装できるようになることを目指している。

 WPFは、従来のデスクトップアプリケーションのほかに、XAML Browser Application(XBA)と呼ばれるブラウザアプリケーションをサポートするように設計されている。ただし、XBAはInternet Explorer内で稼働するが、プラットフォームがWPFに対応している必要がある。つまり、Windows Vista、Windows XP、Windows Server 2003上でしか実行できない。

 対照的に、WPF/EのXAML仕様のサポートは(3Dグラフィックスなどの機能を割愛した)サブセットに限られるが、対応するOSおよびブラウザの幅は広い。Microsoftは、Windows 2000以降のWindowsのほか、Mac OS XでもWPF/Eをサポートするとしている。また、WPF/Eは一部のデバイスにも対応する見込みだ。対応デバイスは「Windows Mobileだけではない」としか発表されていないため、具体的にどのデバイスに対応するかは不明だが、WPF/Eを他社にライセンス提供する考えがあることをMicrosoftは示唆している。そのほか同社は、LinuxおよびWindows 9xへの対応も「検討している」ことも明らかにしている。しかし、Windows 9xのサポートライフサイクルは2006年7月で完全に終了することに注意が必要だ。

当初の計画を変更、.NETベースに

 2005年のProfessional Developers Conferenceでの発表以来、WPF/Eの開発計画において変更された点は、WPF/Eの実装方法だ。

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